春よ来い!(2023/3/1)

コロナ感染は下振れが見えてきたが、ウクライナへのロシアの攻撃は1年たっても収まらず。雪解けは遠いか?皆の冷えた心をも溶かす春を呼ぼう!

 新型コロナ感染症の感染状況も丸3年を経過し世界的にも落ち着きが見え始め、これまでのワクチンや治療薬の開発状況から、我が国の感染症予防対処分類も一般のインフルエンザの対応と同じく5類に引き下げられることとなった。

 しかし、症状によっては重い人もあり病院での処置には一般の患者さんと混住しない対応が求められる。病床を別にするなど治療施設の分離体制は、次の感染症などが起こった場合、この機会の経験が将来に生かされることを願っています。救急医療に携わる皆さんも大変なご苦労を重ねられており、今後の救急処置にも大いに生かされて欲しいものです。
 
 この感染症の対処として、飛沫感染の防止からマスクの着用や、対面接触・交流ができるだけ抑えられ、リモートでの対話手法が社会の主流となることが多くなってきている。残念ながらマスク越しで画面越しでは、人としての血の通う温かさが薄れてきたと思えてならない。食事会も飲み会も控え、気の休まる場面も制約された。
 
 結果、長い歴史の中で日本人社会として育まれた大切な相手を尊重したり、おもんぱかる美徳の精神が薄れた。残念ながら、コロナ菌のように自分が生き延びることが大事と自己中心思想で、相手を追い落とす気風が社会の中心思想に進みつつあるように思えてならない。こんな氷の中で冷やされるような社会の空気を早く溶かし、手足ものびのび活動できる社会を取り戻さなければならない。

この春の統一地方選挙の戦い方も、これまでとは違ってくるのか?

 この春の統一地方選挙に向けて、非難中傷合戦に陥るようなことがあってはならない。それでなくとも投票率が落ち、有権者の政治離れを問い直さなければならない時である。

 一方では、SNSでデマ・中傷を手段として有権者を野次馬として引き込むようなことも決してあってはならない。この国の良識や品位も問い直さなければならない。すでに西条市でもそんな運動がみられているが、市民の見識が問われていると思って良識ある判断や行動を期待したい。
 
 選挙は国民のためにあり、有権者一人一人の人権・民主権を守るための責任を示す大切な行動行使権利です。放棄したり誤った判断で、自分の首を絞めるような将来の結果につながらないよう行動しましょう。

今任期最後の定例県議会に臨み、未来へ希望の明かりが灯せるよう、一般質問に取り組みます。

  1. 人生100年時代に居場所の有る、単身高齢者の孤独・孤立対策でだれ一人取り残されない温かみのある社会に実現を!
  2. 将来発生が予想されている巨大地震に備え、既にハザードマップで、四国の中でも最も死者数が3648人と多いと想定、津波浸水や液状化による被害も愛媛県全体の3分の1を占めると想定されている「西条市」の公共施設などの強靭化に今後の取り組みは?
  3. 西日本最高峰の石鎚山が観光のコンテンツとして注目されるとともに、防災や林業振興の観点からも重要な道路整備が求められている、「県道西条久万線」の整備と未開通区間の整備に向けた取り組みを!
  4. アフターコロナを見据え、地域資源を活用した「愛媛のユニークべニュー」による誘客取り組みを!
  5. 地域の経済力を高め、少子化や人口減少対策につなげるためにも、スタートアップ創業支援の取り組みを!
  6. 県有施設の老朽化が進んでいるが、今後の対策は?等について取り組みたいと準備しています。3月7日に登壇予定です。

 3月7日に登壇予定です。

「読書と人生」

月刊『致知」2023.3月号【巻頭の言葉】より引用 
アサヒビール社友 福地茂雄

読書週間をつけてくれた母

 私に読書の習慣をつけてくれたのは、母でした。物心のついた幼稚園時代には『キンダーブック』や『グリム童話集』『アンデルセン童話集』を小学校時代には『小学1年生』から始まる学習誌、『少年倶楽部』などの少年雑誌、単行本では佐藤紅緑の『ああ玉杯に花うけて』や宮沢賢治の『風の又三郎』などを買い与えてくれました。

 終戦後、まだ本というものが少なかった頃、「これを読みなさい」と母が渡してくれたのは『国性爺合戦』の子供版でした。

 高校時代は、吉川英治の『三国志』『私本太平記』『新平家物語』などの歴史小説を読み耽りました。吉川英治の作品はいずれも状況描写に優れ、語彙が豊かで、まさに歴史小説の王者の感があります。高校の図書館で吉川英治の作品を次から次へと借りていると、担任の先生から「もう少し受験勉強をしてはどうか」と注意されたものです。

 大学に進学してからは、ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』やマルクスの『資本論』、『マックス・ヴェーバー研究』など、経済学の学術書を手にしました。ケインズの一般理論はいまも私の書欄に眠っています。

 母の書店通いは私の大学時代も止むことがなく、『中央公論』『改造』『リーダーズダイジェスト』、それにどういうわけか『婦人公論』『男子専科』を私の下宿先へ月々送ってくれたものです。

人生や経営の処し方を教えてくれた本

 経営に携わって影響を受けたのは、ジェームズ・C・コリンズ他著の『ビジョナリー・カンパニー』シリーズです。中でも「時を告げるのではなく、時計をつくる」という章は、企業経営におけるガバナンスの重要性を教えてくれました。私自身、その学びをもとにアサヒビールやNHKでガバナンス改革を実行してきました。

 ビジネスに携わる人間としての身の処し方を教えてくれた本には、ロンダ・エイブラムズの『きれいなパンツをはきなさい母に学ぶビジネスの知恵』があります。人が見ているか見ていないかに関係なく、正しく身を処する人間になってほしいと説かれています。マイケル・サンデルの『それをお金でかいますか 市場主義の限界』も考えさせられることの多い書です。また、工業デザイナーである水戸岡鋭治氏の『あと1%だけ、やってみよう 私の仕事哲学』には深い共感を覚えました。

 人生における時間の大切さを改めて教えてくれた本には、佐藤晴夫氏の『14歳のための時間論』があります。「あなたの『これから』があなたの『これまで』を決める」という一節には、先の長い若者の失敗は挽回のチャンスが多く、失敗を恐れず挑戦しなければいけないが、晩年の失敗はこれまでの功績を損ない晩節を汚すことになる、という教訓を得ることができました。

美しい言葉は読書から生まれる

 これまでの読書体験の中でも特に印象に残った本は、遠藤周作の『沈黙』です。“踏み絵”を描いたこの作品の終章で、銅板の中のイエスは司祭に向かって言いました。

「踏むがいい。お前の足は今、痛いだろう。今日まで私の顔を踏んだ人間たちと同じように痛むだろう。だがその足の痛さだけでもう充分だ。私はお前たちのその痛さと苦しみをわかちあう。そのために私はいるのだから」と。それまで信徒の迫害にも銅板の人は沈黙を続けていただけに、信徒は「救われた」と思ったのです。

 感動した私は、『沈黙』の舞台となった長崎市外海にある遠藤周作文学館を訪ねました。近くの出津文化村には「沈黙の碑」が建立されており、「人間がこんなに哀しいのに主よ海があまりに碧いのです」と刻まれていました。出津の集落から望む角力灘の水平線は空と海とが溶け合って定かではありませんでした。

 本にはそれぞれの顔があります。タイトルや表紙の装丁など、書店や図書館で様々な顔を見ていると、つい手を出したくなるし、心豊かになるものです。

 私の書棚には、「そのうちゆっくり読もう」と思っている「積ん読」の本が多くあります。森信三氏の『修身教授録1日1言』(致知出版社)によれば、「書物というものは、ただ撫でるだけでもよいのです」「それだけその本に縁ができるからです」とあります。私の積ん読を認めてくださる一節です。

 『致知』別冊の『母 ― 子育てのための人間学』に掲載の土屋秀宇氏と隂山英男氏の対談の一節に、「美しい心は美しい言葉から生まれる。美しい言葉は読書から生まれる」が、たくさんの良書に導かれてきた私の実感です。

「美しい心は美しい言葉から生まれる。美しい言葉は読書から生まれる」が、たくさんの良書に導かれてきた私の実感です