東日本大震災・福島第1原発事故よりもう1年だが?(2012/3/1)

梅は咲いたが、桜はまだか?
この1年を振り返ってみると、花の美しさや暖かさが感じられる余裕が、心に備わっているのか問い直すと、忸怩たる思いだ

  被災を受けた地域の皆さん本当に大変でしょう。苦悩をお察しします。
復興のためには、先ずガレキが片付けられなければならないが、10年以上かかるほどのガレキがまだ山積み状態で、全国に引き受け先を呼びかけても、快く何処も引き受けてもらえない状況で、遅々として進んでいない(私は現地に高能力の処理施設をもっと設置すべきと思う)。したがって街づくり計画も進まない。

 原発事故の収束の目途も納得できるように進んでいないために、汚染の不安が付きまとい、汚染防止対策も後手、後手のようだし、あらぬ風評被害も増幅し、復興は程遠い感じがする。
一連の対応を見ていると、政治(政府)がしっかりと責任ある方針を早く示さないということが一番の問題ではあるが、「絆」とか「頑張ろう」とか言葉の掛け声は踊っているが、痛みを分かち合おうとする本質の部分では、関わりたくないとの思いが見え隠れで、一体日本人の魂たるや如何と思いたくもなる。
 天皇陛下が被災地の方々に、心を寄せられ、膝を折って(自分の痛みを構わずに)目線を国民に合わせ、激励を頂いているお姿を、全国民が汲み取れるような日本人でありたいものだ。(ご心労で心臓手術も受けられたが、早期ご快癒をお祈りします)

 さて今月は、卒業シーズンで別れもつき物である。永遠の別れにするのではなく、いつかまた縁が生きて花咲く、新たな種として育つ別れでありたいものだ。
別れといえば、同級生が年に何人も亡くなりだした。何時も送り出すとき「決して迎えには来なくてよいぞ」といって送っているのだが、寂しいものだ。

新年度(平成24年度)に向け、着実な発進を!

 県議会・市議会では自治体予算も切り詰めながらも、待ったなしの市民生活に不安を及ぼさないよう、少しでも元気を取り戻せる政策をと、理事者も議会も住民も一体となって取り組まれている。
ところが国政では相も変わらず、思いつきのようにフラフラする政策議論を繰り返し、経済環境は一層悪化し、国民の首を絞めにかかることばかり繰り返し議論されているのだが、いい加減にしてほしいものだ。このままだと年度内に、予算も成立しないと思われる。
老後のためにと積んできた年金も先に食いつぶされて、怪しい状況だ(企業年金共済は巨額欠損状態)もう誰も信じられなくなってくる。
まず国会議員が、違憲状態の法も正せず、規律も守れないのなら辞めてもらうしかない。

ともかく国会の解散出直しを求めたい。

五つの“自”を実行せよ

月刊誌「致知」の《巻頭の言葉》より抜粋引用=ウシオ電機会長 牛尾 治朗

『自国の素晴らしさを再認識する時』

 二十一世紀は決して二十世紀の延長線上にあるものではなく、まったく違った社会になる。かねて主張し続けてきたことが、ここへきてとみに現実味を帯びてきたことを実感しています。戦後、奇跡の成長を遂げた日本は、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国になりました。しかし、近年は世界経済の国境が低くなる中、「 B R I C S ・ ブラジル ・ ロシア ・ インド ・ 中国 ・ 南アフリカ」 と呼ばれる国々が著しい成長を遂げています。変化のスピードがかつてと比較にならぬくらい速くなっています。

 世界の人口はついに70億人を突破し、そう遠くない時期に90億人に達する勢いです。反面、日本の人口は減少段階で、2060年には8千674万人という予想です。しかし、この急激な変化は日本企業にイノベーションを起こさせ、新しい活性化のきっかけになることでしょう。海外に行けばすぐに分かることですが、世界中で日本ほど治安が安定して、清潔で、衣食住に優れ、便利な生活用品に囲まれた国は他にはありません。

 例えばここ数年、日本製の高機能炊飯器が中国人観光客からお土産として大人気で、コシヒカリまでセットで買って帰るそうです。また格付けガイドブックのミシュランによると、日本は本場のフランスを抜いて世界で最も三ッ星レストランが多く、日本のハイレベルな食文化が改めて認識されています。日本をアジアの国々は、依然として日本を模範にして成長を遂げようとしています。私たちは自国の素晴らしさに自信を持ち、新たに道を切り開いていく決意をしなければなりません。

『変化に即応できる者だけが生き残る

 この時期に重要なことは、日本人一人ひとりが目先の変化に翻弄されることなく、人間としてしっかり生きていくことであり、社会の目標も、優れた人材を育成していくところに据えなければなりません。

 昨年の東日本大震災では、被災者の皆さんが秩序を守り、助け合う姿が世界中の賞賛を集めました。困難に見舞われても天を恨まず、苦に耐え、協力し合って働く姿勢は、日本人が長年にわたって培ってきた伝統的モラルに基づく人間の力からくるものです。
この人間力にさらに磨きをかけることで、今後は五つの ゛ 自 ゛ を実行していくことが重要な鍵になると私は考えます。
まず心すべきは、 自主判断  ・ 自助努力 ・  自己責任 です。現在この3つの自己責任を実行できている日本人はまだ十人に1人程度に過ぎないと思われます。大半は周りの様子を見、人の後をついてゆくタイプではないでしょうか。
 そして、他に頼らない ゛ 自立 ゛ と、自ら考え行動する ゛ 自律 ゛の心を持った人たちが連帯してゆけば、日本は再び活力を取り戻し、新たな繁栄に向かって歩み始めると思います。

  進化論を提唱したダーウインは、生き残る事ができるのは、賢いものでもない、変化に即応出来る者だけが生き残ると説いています。五つの自を実行してこうした変化を見事に乗り越えたとき、日本は世界に新たな模範を示せるでしょう。

  最近は内向きで生きる活力に乏しい“草食系”と称される若者が増えているといいます。しかしこれからはどんどん世界に出て、自分たちと異なる様々な価値観に人達とも仕事をしてゆく時代になりました。自分たちだけがよければ良いという時代は終わり、これからはアジアと共に生き、アジアの繁栄に貢献してゆく事が、日本の大きな使命であることを自覚しなければなりません。
戦後、奇跡の復興を成し遂げた私たちには、その役割を立派に果たすことができると私は信じています