雨が欲しい。(2009/6/1)

雨が欲しい。

 雨が少なく早くも川が枯れている。

 5月の中旬から真夏を思わせるような天候が続き、自宅横の「加茂川」では、早くも水が枯れている状態となった。
 黒瀬ダムの水が売れないで余っていると理解している人に、是非この川の姿を見て欲しいものである。余っているのなら本来の川に戻して欲しいものだ。
 何故出来ないのか、それは水利用やダムの運用規定で制約し、勝手に出来ないからであるが、もういい加減に河川法の趣旨を生かして見直し、せっかく放流した鮎の稚魚が水が無くなり、浅くなった為に死んでしまうようなことの無いような河川管理を願いたいものだ。
 雨が多すぎ災害を招くようなことも困るが、川に水が無いのは「賽の河原」を見るようで、情けない。

 景気回復は何時だろう。

 昨年秋からの世界的不況は、まるで芋を切ったような急激な落ち込みで、政府も景気回復のために、補正予算を当初予算に追っかけて組むような手を重ねているが、いったい何時効果が現れるのだろう。
 砂漠の中に水を指すようなことのならないよう、早期の回復を期待したいものだ。これまでのように輸出に力を入れても世界中が不況なのだから、まずは国内の消費なり、生産の見直しなりに力を入れるべきだろう。プレミアム商品券・エコポイントなど、消費意欲を刺激もしている。
政局も大いに影響するだろう。GDPも過去最悪の落ち込みだから、これ以上は無い。後は回復あるのみだが・・・。

 朝鮮半島の情勢は油断がならない!
 韓国前大統領の自殺。北朝鮮の地下核実験やミサイル発射実験と6ヶ国協議離脱声明・・・。先行きに暗雲がたれて来ているようだ。最も隣国としてこれらの情勢は目が離せない。

現実を見よう 外を見よう 先を見よう

-ウシオ電機会長 牛尾治朗(月刊『致知』6月号巻頭の言葉より抜粋引用)

『21世紀型経済社会の夜明け』

  世界はいま、グローバルな経済危機に呻吟(しんぎん)しています。しかしこれは、時代が大きな変化を遂げる過程で迎えた谷間であり、新しい時代の夜明けに差しかかっていることを見過ごしてはなりません。

  新しい時代の下では、ものごとを判断する基準となる価値観、座標軸の大転換が起こり、人の生き方、考え方が大きく変わります。

  これまでの経済では、高い収益を上げることや、コストを下げて競争力を高めることなどが価値とされてきました。しかしこれからは、自然を大事にし、エネルギーを節約して、きれいな空気を保つことが重要な要件になります。さらに、人の心が救われるといった、温かさや優しさを持った企業経営が評価される時代になり、弱い人、困っている人を大事に考える人間性が求められます。

  そういう変化の先陣を切ろうとしているのがアメリカのオバマ大統領なのです。

  ブッシュ時代の路線を転換し、環境問題への取り組みで世界の先頭に立つと宣言したのもその一環です。そうした変化を、老若男女、宗教、人種の垣根を越えて、ともに推進して大きな変化に即応していこうというのがオバマ大統領のスタンスです。その変化の先にあるのが、先述の通り、自然にも人間にも弱者にも優しい社会であり、組織だけでなく人間一人ひとりが大事にされる、バランスの取れた社会の実現なのです。

  世界的な不況が各国の経済を厳しく脅かしていることは事実であり、日本でも相当厳しい現実が、特に地方経済、中小企業において顕在化しています。多くの経営者は、この嵐が去るのをじっと待ち、しかる後に再建を始めようと考えているようですが、その発想は必ずしも正しいとは言えません。

  今回の不況は、20世紀型の経営から21世紀型の経営へと、企業経営の体質を変える大きな変化の谷間に登場した不況であり、その背景で経済社会も、20世紀型から21世紀型に変わりつつあることの重要性を自覚しなければなりません。

『新時代への地歩を固めよ』

 21世紀型経営では、前述したように、自然と共生し、人間の心を大事にすることに加え、自然を大事にする人間の心をつくる徳育や、成熟した民主主義を乗り越えるための市民的教養の醸成など、教育が重要な課題となります。さらにIT,BT(バイオ技術)を中心とした技術革命や、国際化は一層進展していきます。

  経営者はこれを踏まえ、人間を大事にする日本本来の従業員資本主義の原点に立ち返り、従業員を人件費、コストとして見るのではなく、人間的資源と見る発想に転換していかなければなりません。

  戦後の日本の復興期には、この従業員一家主義的な日本の経営が成長に大きく貢献し、昭和46年のニクソンショック、48年のオイルショックを乗り越え、労使協議会という経営機能が生まれました。従業員を軸とした集団主義が、優れた近代経営の一つとして世界の注目を集めたのです。

  21世紀型経営はこれをさらに見直し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を通じて、一人ひとりの人生をより質の高いものにし、さらに自分にふさわしい仕事を選択できる社会を実現していくことが、重要な課題となります。

  国外ではいま、オバマ大統領の登場でアメリカが21世紀型経済社会へ大きな一歩を踏み出したものの、ロシアは独裁国家の色彩を強め、北朝鮮は混迷を深め、ヨーロッパも多くの問題を抱えて喘(あえ)いでいます。

  予断を許さない世界情勢に、日本も安閑としてはおられません。この重要な過渡期に、内向きの狭い視野で舵(かじ)取りをしていては道を誤ります。現実を見て、外を見て、先を見て、新しい時代への地歩をしっかりと固めていかなければならないのです。