元気だぞ「日本人男性」(2013/6/1)

暑さにも負けず頑張ろう

 先にギネスブックに登録された、男性の世界一長寿者は、116歳を迎えた、京都府京丹後市に住まいする、『木村次郎右衛門』さんだ。
お子さんも実子7人のうち5人は健在で、孫が14人、ひ孫が25人、玄孫が14人という。幸せに家族に見守られているようだ。新聞を朝起きれば2・3時間読み、テレビも国会中継や相撲を見ると言う。ともかく何かにつけ興味旺盛に生きてこられているようだ。長寿のお祝いに「サンキュー」などと茶目っ気も発揮して対応している姿はほほえましい限りだ。是非見習ってあやかりたいものだ。

 また、80歳を迎えて世界の最高峰「エベレスト」への登頂に成功した『三浦雄一郎』さん、もギネスの快挙だ。これまでも冒険家・プロスキーヤーとして数々の快挙で世間をあっと言わせて、驚嘆させてこられた。
 女性の方が、何かと気を吐いて頑張っているニュースの扱いが目立っていたのだが、このところは男性が頑張っている。草食系男子の面目躍如となるか?

 世間の雰囲気もアベノミクス効果で、円安・株価の上昇と、好感度が続いている。だがまだまだ実需が実態として効果を発揮できている状況にはなく、逆に輸入品の値上がりなどでブレーキもかかっている。この運営のバランスがこれから大事な時期である。

 参議院選挙を7月に控え、国民に支持をされる安定政権を作ることが自民党のためではない国民のために、国益を守るために大事な事だ。
選挙のための耳障りばかりを狙った無責任な未成熟政党や、政治家をしっかり見定める事も大切だ。もうかなり痛い学習を国民もしたはずだ。
6月議会もこれらの課題に向けてなど、色々な議論でよき答えを導く政治活動をしなければならない。

 梅雨もうっとうしいけれども、命を育み育てる大事な役目と要素だ。ゲリラ被害は御免だが安定した夏も乗り切れる恵をいただきたいものだ。

和魂洋才の心で道を開く

月刊誌「致知」の《巻頭の言葉》より抜粋引用=牛尾 治朗(ウシオ電機会長)

『幸福感に乏しい日本人』

 この頃は、世の中がますますグローバルになってきたことを、身近に実感させられる時代になりました。
市場に出回っている食品や衣料品を見ても、純粋な日本製はほんの僅かで、少し前までのように日本のものにこだわっていると、買えるものがなくなってしまいます。
また日本は、従来にも増して質を追求する社会になりました。
知り合いのフランス人は、日本のコンビニで買ったお菓子のおいしさに驚嘆していましたが、いまはそういう商品が極めて安価で提供されています。
いまをときめくユニクロの衣類も、安価ですが高い機能性を保ったままです。
デフレで物価は下がっているけれども質は決して下がっていない。消費者にとっては、ある意味非常に理想的な社会ともいえます。

 これは時代のもう一つの趨勢であるIT化により、製造から在庫管理、流通、販売までを一括管理できるようになり、間接的な費用が極限まで抑えられるようになったことで可能になりました。
 こうした技術革新を背景に急成長を遂げているのがアマゾンです。
パソコンで注文した本がその日のうちに自宅まで届き、しかも送料もかからないため、爆発的に利用者を増やしています。
アマゾンは本の受発注で確立したシステムを他のあらゆる商品に適用し、あたかも黒船のように日本の市場に押し寄せてきているのです。

 こうしたグローバル化とIT化の恩恵により、日本の消費者はいま、よいものを極めて安価に入手できる歴史上もっとも快適な時代を迎えています。
ところが、日本人の幸福感は必ずしも十分に満たされているとは言いがたいところに問題があります。

『求められる北辰の如きリーダー』

 その傾向はとりわけ大都会に顕著です。
これは人間関係の希薄さに起因するものと思われます。
 田舎の人間関係に息苦しさを感じ、都会に出て行く若者は多数いますが、概ね半数ぐらいは帰ってくるといいます。
近所に引越しの挨拶をして回っても怪訝な顔をされたり、トラブルに巻き込まれても周囲は我関せずといった希薄な人間関係の中で孤独感に苛まれ、故郷の温もりに満ちた人間関係が恋しくなるのです。

 地方、とりわけ日本海側は、出生率、女性の就職率ともに東京より高く推移しています。
これは、地方に三世代同居の大家族が多く、自宅で子供の面倒を見てくれるお年寄りがいることを寄与しています。
加えて、古来培われてきたよき伝統文化が色濃く残っており、人の心に潤いをもたらしてくれる事も大きいと思います。
 世界では今後ますますグローバル化とIT化が進展していくと思われますが、日本がその潮流に乗って都市型社会一色に染まれば、遠からず行き詰ってしまうでしょう。
和魂洋才の心で、日本本来のよさを保持する日本海型社会と共存していくべきだと私は考えます。
同時に、世界においても日本の美点を発揮して存在感を高めていくこと、いわば世界における日本海型社会のような国家を標榜することで道が開けてくる、と私は考えるのです。
 企業経営も同様です。複数の拠点を世界主要都市に構え、外国人の従業員を多数雇用してグローバルに競争力を発揮しつつも、日本企業の特徴である大家族的な経営を大切にしていくべきではないでしょうか。

 こうした社会や組織を実現するには、やはり優れたリーダーの存在が不可欠です。
『論語』に「北辰其の所に居て、衆星之に共(したが)う」という言葉がありますが、リーダーが今後の趨勢をしっかりと見極め、天体の中心に輝く北辰、北極星のように進むべき道を指し示せば、人々も自ずとよき方向に導かれていきます。

 古きよきものを堅持しつつ、新しきものも積極的に取り込んでいく。こうした和魂洋才の心によって、日本はこの目まぐるしい変化の時代に、生き筋を見出すことができると私は考えるのです。