春が来る(2019/3/1)
奉祝 天皇陛下御在位30年
昨年は全国各地で災害が発生し、精神的にも落ち着きの悪い日々が多かったが、今年は比較的穏やかで、梅の花、桃の花、これからは桜の花と、順調に花を開いているようだ。
そう思えば今年になっても、氷が張った、霜柱が立ったのを家の周りで見たことがないなとも思いだす。穏やかが、何よりだ。
天皇皇后両陛下に於かれては、御即位30年をお勤めいただき、常に国民の為に平安有れと祈っていただき、悲しくも被災に遭われた方々には、励ましのお気遣いをいただき、国民の象徴としてのあるべき道を求め、それを示され、真に平和を希求する姿を世界にも示されました。さらに自らの御意志で次の世代にまた新しい空気感を持って、国家のあるべき姿を国民と共に導いてほしいと、優しく包むご配慮で、上皇となられるご決断もいただきました。
誠に尊きご配意であり、私たちはこの陛下のお心をしっかり受け止め、感謝の誠でお応えすべきでしょう。
この心の伝心が、新しい未来を拓く国のエネルギーとなって、新しいに御代も皇室をシッカリお支えして、国の平安と発展に繋げなければなりません。
今任期最後の議会にも精いっぱい取り組みます
今任期最後となる第362回定例愛媛県議会に、各会計当初予算や条例改正などが提案され審議されています。
中村知事としては3期目のステージ最初の年であり、「笑顔あふれる愛媛づくり」
の基本政策を ○雇用・経済に愛顔を ○お年寄りや障がい者に愛顔を ○子供達や女性に愛顔を ○観光に愛顔を ○地域の安全・安心に愛顔を とテーマを設定し、諸施策の事業化をくまれている。
各会計の当初予算合計は 9781億2千万円で、前年よりも231億円の増となっている。これは昨年の西日本豪雨災害での被害復旧をできる限り早め、元気を取り戻してほしいとの思いが込められている。
また、私は一般質問にも立たせていただき、これまで取り組んできたテーマ課題を、更に未来に向け一歩一歩の前進に繋がり、希望や期待の持てる社会に繋がるよう提言させて戴いた。(詳しくは議会報告の項で報告)
それにしても悲しいのは児童虐待や、意味もない殺人行為が起きる社会です。何としても防止しなければ!
世界の人々の心を潤す茶道の根底に流れる情
月刊『致知」2019.3月号【巻頭の言葉】より引用
千 玄室(茶道裏千家前家元)
『ブッシュ大統領をお招きしての茶席』
アメリカのジ ジ·H·W·ブッシュ第四十一代大統領が薨御された。俗に「パパ·ブッシュ」と呼ばれる。パパがつくからには、息子も大統領になっている。
アメリカ歴代大統領の中で親子共に大統領となったのは、第二代のジョン・アダムズとその息子の第六代ジョン·クインシー·アダムズの二組のみである。
日本でも親子二代の首相は多くはないがいらっしゃる。しかし建国され二百四十年あまり経つとはいえ、多くの州を抱えるアメリカではなかなか大変であろう。
俗に言うジュニア議員になるのでも大変そうである。
亡くなったブッシュ大統領にもお茶を差し上げた。二回目にお会いした時は、時間がなくお茶を差し上げることはできなかったが、後日サインを入れた記念の写真をいただいた。親日家とはいえないまでも日本のことをよく勉強しておられ、将来の日米友好親善のもとをつくられた方である。
しかし、この時東京から京都へ乗っていらしたヘリコプターが御所の空き地に降りたため、京都人はもとより心ある人々が「なぜ、天皇陛下がいらっしゃらなくとも京都の守り本尊と言われている御所にヘリコプターで云々」と当然の批判が起こったものである。
蛇足ではあるが息子の大統領の時、東京の迎賓館の茶室でご夫妻にお茶を差し上げたところ、夫人がいたくお茶をお気に召してくださり、私がワシントンへ行った折、「ぜひとも夫人のご母堂にお茶を」との要望で大使館内の茶室でお茶を差し上げた。ことほどさように、どの国の方でもお茶の心はお分かりいただけるのである。
『外交団を一服の茶でもてなすアブダビ』
二〇二五年の大阪での万博開催が決定した。先立つ二〇二〇年にはドバイで万博が開かれるが、私は同じアラブ首長国連邦のアブダビにご縁がある。以前,アブダビで開催された国際会議の時、中曽根外務大臣(当時)に要請され茶道をもって民間外交を務めた。
この時はホテル内に組み立て式の茶室を設営し、小さな茶庭もつくった。そこにアブダビの皇太子殿下が席入りし、私が点てたお茶を両手でお茶碗を持って召し上がり一言「茶道は素晴らしい」と。それがきっかけとなって、パレスの皇太子室で二人だけでお話をさせていただいた。
皇太子は「日本の武士道をこよなく尊敬している。貴方の話で茶道はそれを支えてきたということが分かった。ぜひとも茶道を勉強したい」とおっしゃったので、それではと皇太子殿下に茶室を寄贈することが実現した。
扁額と言われる茶室に掲げる庵号を考える時、砂漠の都から緑と水が重要と「緑水庵」と名づけたのだが、皆さんは砂漠の国というと緑が少ないのではとお考えだろうが、ドバイは国王陛下や皇太子殿下のご意志で緑を増やす努力をなさっており、本当に緑々した街路樹や公園がいたるところにある。水が少ないのに?と思われるだろうが、それこそ日本の技術で海水を真水に変え、ふんだんに撒いているのだ。
四十度を越す暑さの中の緑は心強く、この国の未来を感じさせる。茶室のお披露目をした時、ご自身では滅多に人前でお書きにならないという殿下が、自ら日本の筆をとられアラビア語で「緑水庵」と書かれて、ご自身の署名もしていただいた。
京都で勉強した皇太子府の方々が、他国の外交団がアブダビを訪れた時に一服のお茶でもてなし、皆様を驚かせていると伺った。いまでも緑水庵は、アブダビで茶道を通じて大きな民間外交の役を務めている。日本人には難しいと敬遠されることが多いが、茶道の根底に流れる情は他国の方の心にはすっと入っていくようだ。日本の若い方々の心にすっと入っていくことを願うものである。