非常事態を収束させよう!(2021/5/1)

何のための「非常事態宣言」
誰のための「まん延防止等特別措置」なのか?
国民一人一人が責任を持とう!!
絶対にこの難局を乗り切り、コロナの終息を目指そう

 昨年来国民に注意と協力を呼びかけ、新型コロナウイルスの感染を収束させようと、国は「非常事態宣言」を発した。

 収束への取り組みに知恵を絞り、予算措置も講じて、国民の命と生活を守るため経済との両立を目指している。だが、なかなか思うように収束の道に結べない。今もコロナ禍第4波と言われ、変異ウイルスにより感染力が強く、感染拡大が止まらない状況にある。

 集中的に抑え込みをと大都市部を中心に、新たな施策として「まん延防止等特別措置」も講じ、飲食・とくに酒類を扱う店の休業要請や営業時間短縮などに、一定の強制力をかざしながら取り組んでいる。だが、1年あまり我慢の要請が続くとマンネリ化するのか、一向に効き目が表れない。

 今また東京首都圏・大阪大都市圏を中心として、3度目の非常事態宣言を発し、何としてもこのゴールデンウィークで、感染拡大を抑え込む協力を国民に強く要請しているところだ。

 私からも強く訴えたい! この難局は私たち一人一人の健康・命にかかわる「自己責任」の問題だ。他人事として傍観することなく、お互い責任をもって注意しあい、励ましあって事態の打開を図りましょう。

 国会でもマスコミ報道でも、ああでもないこうでもないと揚げ足取りの議論がはびこり、打つ手の効果を半減させている。主体は国民我々1人1人の問題だ。1億総評論家となっていてはならない。

 最後の責任は誰がとることになるのか。国民がとらされることは自明の理だ。

日米の連携と中国との付き合いも大きな課題だ
倫理を正し、責任ある民主主義国家を築きましょう

 先月16日アメリカ大統領就任後、初の外国首脳対面会談相手として、日本の菅総理がホワイトハウスに呼ばれた。

 自由主義圏の同盟国として、アメリカが期待するのはやはり日本であることが示されたのはうれしいことではあるが、反面この期待されるものは何なのか、そのパートナーシップには責任がついて回る重さの覚悟も必要だろう。

 21世紀に入り、中国の共産主義による統制経済と世界1の人口により、GNPが一挙に世界第2位に押し上げられた。アメリカをも凌ぐ勢いで成長が進み、後進国への支援で中国の国際影響力が拡大し、今や軍備力も世界で最大となった。
 
 人権も無視した香港統一への強硬策や、ウイグル自治区の問題など、専制化の拡大が危惧されている。特にアメリカがその勢力拡大に憂慮と危惧の思いを強く示し、自由主義諸国の結束を呼び掛けることにバイデン大統領は今指導力を発揮しようとされている。これに対し中国も対抗姿勢を強硬化する様相を見せている。

 この狭間に立って日本はどう付き合ってゆくのか、具体的課題として重要になってくることが予想される。私はやはり自由と民主主義を主体とする経済体制や国家システムをこれからも大切にしなければならないと思う。

 国際間において、それぞれの国の主張が自国を守るためのエゴが先行し、協力関係の機運が希薄になっている現状から、協力で共存発展の道へ、大局観を持って取り組まなければならない。

 コロナがそのことを世界中に試練として知らしめているのではないだろうか?
それにしてもこの試練は中国由来であるが、世界平和実現のために、中国も責任感をもって臨んで欲しいものだ。

近づくオリンピック実行問題にも一丸で取り組まなければ・・・。
松山英樹選手のマスターズゴルフ大会優勝にも元気をもらった。
スポーツはやはり元気を醸成する。

新型コロナウイルスは、傲慢になっている 人類への警告か

月刊『致知」2021.5月号【巻頭の言葉】より引用 
茶道裏千家前家元   千 玄室

『世界の環境問題は今後どうなるのか』

 去る一月の話になるが、第四十六代バイデン大統領の就任式が取り敢えずは無事終了した。数日前より車の通行、人の往来が規制される異例の厳戒態勢のワシントンD.C.において世界中の注目を集めたと言っても過言ではない。

 バイデン大統領は即日、パリ協定への復帰を決め、またWHO(世界保健機関)からの脱退の撤回も命じたそうだ。アメリカ第一主義を掲げたトランプ前大統領は、この他にユネスコからも脱退している。

 アメリカが一番の拠出金を出していたため、ユネスコの予算は厳しいものになっている。

 ご存じの方も多いと思うが、敗戦直後の一九四七年、国連加盟に向け草の根運動として民間により設立された、現在の(公財)日本国連協会の会長を私は二〇〇二年より務めており、ユネスコ親善大使も拝命しているので、その困窮ぶりには常に心が痛むのである。

 トランプ前大統領はその他にも、直近に国連人権理事からの脱退も表明している。これらをはじめとして、前大統領がアメリカ第一主義のスローガンのもと、各国との間に作ってしまった溝に、バイデン新大統領がどのように対処していくのか興味深いものである。

 バイデン政権が復帰したパリ協定は、京都議定書の後を受ける形で気候変動を食い止めるために結ばれたものであるが、その実行はなかなか難しいものがあろう。事実、いままでのところ、目標が次々先延ばしにされつつある感は否めない。

 私が若い頃はSFの中の想像上だったものが、現実のものとなり普通に使われてきている。携帯電話などはそのいい一例であるが、化学技術の発展は日進月歩でそこまで必要なのかと思えるものもでき、ついていくのも気疲れがする。

 自動車も電気で走らせるようになり、近々空を飛びそうなことも言われている。
 事実日本では、二〇三〇年にはガソリン車の販売を中止するとの発表もあった。先進国が率先して二酸化炭素の排出量を減らし、開発途上国への援助の手を差し伸べることは自然破壊を食い止めるためには必然なことである。

『人類にとっての最新鋭の天敵』

 一方のWHOに関しては、ご存じのように中国よりだとの問題はあったが、新型コロナウイルス発生地の中国への査察などが行われた。感染症の拡大の現状を見れば、世界中が一致団結して事に当たらなくてはならないことは自明の理だ。

 十六世紀のフランスの医師であり占星術師であったノストラダムスが四行からなる詩の百詩篇、いわゆる「ノストラダムスの大予言」で一九九九年七月に人類が滅亡すると予言したためにパニックに陥った方々も多くいらしたと記憶している。

 この時は実際には何事も起こらなかったわけだが、一六六六年のロンドン大会、ナチスの台頭などこの大予言に著されているような事例が起こったこともあるそうだ。その中に今回の新型コロナウイルス感染症を予言した部分があるという話も聞くが、予言などはどのような解釈もできるものではなかろうか。

 それよりも、病原性ウイルスには増えすぎた動物集団に感染症をもたらして数を減らして生態系のバランスを保つ役割があり、新型コロナウイルスはその役割を持って「自然界から送り込まれてきた最新鋭の天敵」とも考えられる、との説を目にした。本当にそのような理由でこの感染症が拡大しているとは信じ難いが、傲慢になっている人類に対する何らかの警告だと捉えることはできるであろう。

 ウイルスが次々に変異して感染力が強まっており、さらなる感染症対策の強化が必要なのはいうまでもない。

 夢のまた夢であろうが、この変異が進み無力化するようなことがあれば、と願わずにいられない昨今である。

 感染症の拡大の現状を見れば、世界中が一致団結して事に当たらなくてはならないことは自明の理だ。