歴史の転換期にしよう(2016/6/1)

現職アメリカ大統領が広島で慰霊し、核廃絶に向けスタートを呼び掛けた。
反対・反対の声ばかりでなく、平和を守る行動に移そう。

 2016年5月26日、27日に三重県の伊勢志摩において日本を議長国として、先進国首脳会議(G7)が開催された。
8年に1度議長国としては当番が回ってくるのだが、北海道洞爺湖・沖縄と日本で過去に開催されたことがある。アメリカの大統領は任期が最大8年だから同じ人が次に開催されるとき出席されることはない。まして日本の総理は到底あり得ない事だろう。むしろ毎年開かれるのにたびたび総理が変わっている状況が続いていたので、各国首脳が並んでの記念写真を撮っても、端っこの方で遠慮がちに映っていることが殆どだった。

 余談はともかくこの会議では世界経済の立て直しが主眼で協議されたようだが、これもどっかが良ければどっかが悪いような、中々全て良の結論は出ないのは当たり前だろう。
そのことよりも今回のサミットへの参加の前後日程で、アメリカの大統領が沖縄で米軍の軍属が20歳の女性を殺害の上、死体を林の中に遺棄した事件があったが、このことに謝罪の表明があった。
 さらにサミット終了後広島を訪れ、原爆資料館・慰霊の塔に献花拝礼の後、悲しい歴史を振り返り、平和を守るために行動する誓いを述べられ、核廃絶に向け不断の努力を呼び掛けられた。また被爆者や外国人を含め犠牲者の慰霊の取り組まれてきた方に、直接声をかけられ労われたのは、オバマ大統領の平和を願う心を行動で示されたことであり、私は心からの敬意をもって賛同し、その行動を評価する。

 謝罪があるか否か関心を持っている人がいたと思うが、いまさら謝罪して何が戻ってくるのだろうか?悲しい歴史・経験を2度と繰り返さないと、未来に立ち向かうことこそ大事だ。
この大統領の行動に結び付けるまで、日本政府も大変な苦労をしながら、条件を整えてきたものと、日本政府の努力も大いなる評価をしたい。

ともかく未来へ向かって、悲しい歴史を繰り返さない、国際協調と平和を守るための連携努力を誓い合おう!
1人1人の責任で、国際的に信頼される国をつくるため、参議院選挙で誤りなき選択をしよう!

 ところで、これから7月の参議院議員選挙に向けて、本格的に各党選挙態勢を固めに入ってくると思われる。
 自民党でもまだ選挙に向けての公約は出されていないが、早くしっかり国民に理解が得られる政策を、示されなければならない。

 今回は、自公政権に対抗し、無所属で野党連合を取り組む動きが多くみられる。
愛媛でも共産党とも組んで候補者を立てるような体制が固まったようだ。
その場しのぎの政策で政権に対する「反対」批判勢力として、時の風をくむ受け皿となって追い上げることがこれまでも繰り返され、この国をしっかり世界から信頼される国とするため、足踏みが繰り返されているのだが、もう無責任な政治行動に振り回されないようにしなければならない。
是非皆様には冷静に責任ある社会人としての投票行動を望みます。

 国民誰もが「苦い経験から平和を守る尊さは絶対に堅持しなければならない」が基本姿勢であるのに、「自公政権は戦争へ導く安全保障法案を作った」と、「戦争法案反対」!「子供を戦場に送るな」!などと声高に叫んでいますが、誰が戦争を望む人がいるでしょう。戦争しない平和社会を守るために、しっかりと責任ある平和活動の行動を実践しなければなりません。自民党は責任を持って行動します。

安酒は飲むな、いい酒を飲め

月刊『致知」2016.6月号【巻頭の言葉】より引用  ウシオ電機会長・牛尾治朗

『神戸支店長 木村喜八郎さんの思い出』

 私は大学を出て、東京銀行へ入行後、ほどなく神戸支店へ配属となり、当時支店長を務めておられた木村喜八郎さんの秘書をしていた時期があります。
 主な仕事は情報提供で、毎朝木村さんより1時間早く出社し、国内外の様々な新聞雑誌に目を通して必要な記事を切り抜き、提出するのが日課でした。

 豪放磊落(ごうほうらいらく)な木村さんは、仕事のあとでよく、「おい牛尾くん、飲みに行こう!」と、有名なアカデミーというバーへ私を連れていき、若手社員にはなかなか手の届かない高級酒を振る舞い、労をねぎらってくださいました。
 ブランデーの薀蓄(うんちく)を傾けながら、木村さんは「牛尾くん、くだらん酒をたくさん飲むより、いい酒を飲めよ」と繰り返しておられたのが、いまでも大変、印象に残っています。

『簡単に分かってもらっては困る』

 私はその後、ウシオ電機を創業したため、木村さんと御一緒する機会はなくなりましたが、その代わりにしばしば酒席を共にさせて頂いたのが、その頃から教えを請うようになっていた安岡正篤(まさひろ)先生でした。

 ある時、木村さんからいわれたことを思い出してお話すると、安岡先生は、「いくら高いお酒でも、馬鹿話をしたり愚痴をこぼしながら飲むのでは、安酒を飲んでいるのと同じです。
木村さんが君に伝えたかったのは、よき仲間と人生や世界を語り合いながら飲む酒こそがいい酒だ、といいうことですよ」と、お話の真意を説き聞かせてくださったのです。

 確かに木村さんはグラスを傾けながらさりげなく、人生訓、仕事訓を私に与えてくださっていました。酒が原因で遅れてくる人間は信用されない。飲んだ翌朝こそ早く出社しなさいという教えなど、若い自分を鍛えていく上でどれほど役に立ったことでしょう。
 安岡先生とのその時のやりとりには続きがありました。私が納得して、
 「分かりました」と答えると、 
 「こういうことは、簡単に分かってもらっては困ります」
とおっしゃるのです。自分で実際に試してみて初めて肚(はら)に落ちるものであって、軽率な理解 というのがいちばん危険だ、ということでした。
安岡先生からそうした貴重な訓戒を頂きながら飲む酒こそ、まさしく無上の高級酒でした。

 ―安酒は飲むな、いい酒を飲め。よい仲間と、人生を語り、友情を語り、歴史を語り、世界を語り、限られた時間を有意義に過ごしていきたいものです。