明けましておめでとうございます(2020/1/1)

明けましておめでとうございます

 明けましておめでとうございます。
皆様には清々しい新年をお迎えのことと、お慶びを申し上げます。
本年も旧に倍してのご指導・ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い致します。

 昨年は天皇陛下の譲位があり、5月1日から元号が「令和」とされ、徳仁親王殿下が天皇に即位され、明仁親王殿下は上皇に即位されるという、我が国にとって大きな歴史的変化がありました。

 10月22日の「即位礼正殿の儀」で、天皇陛下が高御座に立たれご即位を宣明されたとき、宇宙からもその前途をお祝いするかのように、光が差し込め虹が立つという瑞祥の現象もありました。

 天皇陛下の宣明のお言葉とお心の通り、国民の幸せと平和を求め、陛下も国民も皆が心を寄り添わせ努力することが何より大切です。

 国内でも相次ぐ災害の復旧も急務です。心の問題としていじめや虐待さらに引きこもりの問題に思い切って、社会の健全化への重大課題として真正面から取り組む必要があります。活力ある若者の育成の手を緩めては、次世代の発展も維持もできなくなります。
昔は良かった!との回顧だけでなく、将来をどう維持発展させるかに常に視点に立っての取り組みが必要です。30年後我が国はどうなっているでしょう?

 安倍政権は、我が国の憲政史上最長となりましたが、内閣に権力が集中することにより、牽制能力が衰えたのか、昨年末にも「桜を見る会」の有りように対する説明の有りようなどで見られているように、おごりともみられるような事案が最近数々指摘され、政治にも信頼関係が薄れているようですが、兜の尾を絞め、李下で冠を正さず、堂々と国内はもとより国際からも信頼される日本を打ち立てて欲しいものです。正しい倫理観を持って正義が勝つように「ワンチーム」で一体感を持って取り組まれたいものです。

東京オリンピック・パラリンピックを成功させましょう

 1964年に開催された東京オリンピックから56年ぶりに、再び、今年2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。
昨年もプレ大会のように各種世界大会が開催され、日本の若者の活躍を頼もしく見守っていますが、スポーツマンシップで世界平和の橋渡しとなる大会として、みんなで応援し成功させましょう。スポーツや文化は言葉の壁を越えて通じ合うものを築いてくれます。

 愛媛では、オリンピック終了後の9月中頃に「日本スポーツマスターズ」(35歳以上の選手による)が開催され、13種目を県下各地で試合が行われます。先の愛媛国体の熱気を引き継ぐものとして、みんなで受け入れ取り組みしましょう。約8000人の関係者、並びに韓国からも一部交流参加があるようです。

元気な高齢者頑張ろう!

 さて、私事ですが1月19日で満72歳を迎えます。子年で年男ともなるのですが、気力・体力をシッカリ保ち頑張ってまいります。

 いわゆる団塊の世代で、高齢者福祉面で大きく社会に負担を負わせる世代と、迷惑顔で見られるようですが、みんな精いっぱい頑張って自立の精神も旺盛にこれまでも頑張ってきました。高度成長を支えてきた企業戦士は我々世代が中心でした。

 まだまだ社会に役立ちたいと思っていますので、活動の場を狭く押し込めないようにしてください。世代を代表してお願いします。

 地域の環境整備の見守り隊、子供たちの遊びの見守り隊、などなど身近にできることを見つけ出し、引きこもりにさせないで(ならないで)動き、社会に役立たせましょう。
全世代で生きがいを見つけ合う社会にこそ、元気や地方の創造が起こります。

終身の計は人を樹うるに如くはなし

月刊『致知」2020.1月号【巻頭の言葉】より引用 
牛尾治朗(ウシオ電機会長)

『忘れ得ぬ人間  忘れ得ぬ言葉』

 早いもので、『致知』とのお付き合いももう三十年以上になります。
 昭和五十九年、祖父の代からご縁を賜間っていた安岡正篤先生の追悼号で原稿の「依頼を受けた のを機縁に、しばしばインタビューや対談の機会をいただくようになり、平成十年からはこの「巻頭の言葉」欄への寄稿も始めました。おかげさまで、読者の皆様から毎回多数の賛同や励ましの言葉をいただき、連載は思いがけず二十一年の長きに及んでいます。

 仕事で地方へ赴く度膚に感激する のは、熱心な読者からしばしば声を掛けられることです。誌面に名を連ねる私に、同志のような親近感を覚えてくださっているようなのです。
『致知』の影響力の大きさを実感すると共に、私自身もいつしか『致知』に自分の身内のような親しみを覚えるようになりました。

 『致知』との縁がここまで深まったのは、個人間学という唯 一無二のテー マを中心に据え、日本人の尊い美質に光を当てる 一貫した編集方針に深い共感を覚えるからです。加えて、私と縁のある先輩方も多数登場し、そこで語られる驚言に貴重な示唆を与えられてきた実感があるからです。

 『致知』では、私と同様に安岡先生のもとで学んでおられた住友生命元会長の新井正明さん、野村議券元会長の田淵節也さんとそれぞれ対談の機会を得、また東京電力元会長の平岩外四さんには登場される誌面を通じて大きな刺激をいただきました。

 新井さんは、先の戦争で隻脚となりますが、そのハンディを逆手に人物を磨き、経営再建に見事な練腕を振るわれました。田淵さんとは経済同友会で共に汗を流した間柄で、証券業界には珍しい深みのある人間性が印象的でした。平岩さんとは毎年数回お目にかかり、時局や注目する個人物について論じ合うのが楽しみでした。

 平岩さんの執務室には、安岡先生の揮毫された「四耐四不訣」の書が掲げてありました。
「冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、躁がず、競わず、随わず、もって大事を成すべし」
 
 これは中国清代の政治家·曾国藩の言葉です。平岩さんは、安岡先生から贈られたこの厳言を心の支えに、数々の経営の難題に処してこられました。その威厳に満ちた風貌と、謙虚で誠実なお個人柄は、「四耐四不訣」の書と共にいまも深く印象動に残っています。

『人物を見出し 育てることの大切さ』

 かつてはお三方のように、安岡先生の感化を受けた優れたリーダーが多数存在し、我が国の繁栄に重要な役割を果たされていました。私自身も安岡先生をはじめ、多くの先輩方の感化を受け、育てられてきたという実感があります。
この頃は、一昔前までのような風格ある人物が少なくなったという声をよく耳にします。しかし、いつの時代にも優れた人物は必ず出てくるものであり、見どころのある人を見出し、育てていくことが上の世代の重要な役割だと私は考えます。

『管子』には、
「一年の計は穀を樹うるに如くは莫く、十年の計は木を樹うるに如くは莫く、東終身の計は人を樹うるに如くは莫し」
と説かれています。人を育てることの大切さを説いた名言ですが、私自身も半世紀以上にわたる経営人生を通じて、とりわけ人を育てることの尊さは深く実感してきました。ゆえに自分が様々な公職を歴任するようになってからは、世代の異なる若い方々と積極的に交わることを心掛けました。見どころのある方には、その天分を社会のために発揮していただけるよう助力してきたのです。『致知』のもとにも、志の高い方が多数集まっています。安岡先生のもとから多くの優れたリーダーが育ったように、この『致知』からも次代を担う優れた人物が次々と育ち、日本の将来を牽引していかれることを、私は心から願っています。