節度を忘れた暖冬異変?(2020/2/1)

めまぐるしい課題が世界で起き、問題が巡っている。
自律の冷静な判断力を皆で築こう!

 最初に、当面の大問題として、昨年末から中国の武漢に於いての発症を発生源として、「新型コロナウイルス」が感染を拡げ、嘗てのサーズ、マーズといった感染性ウイルスが拡大発症したように、今、世界中に広まる気配も見せている。世界中で正確な情報を共有して、1日も早く終息することを祈りたい。

 中東イランで対アメリカの武力衝突が心配されるが、拡大の兆しが収まっていることは何よりだ。戦争は絶対に避けなければならない。

 早くも2月となり、1日には伊予路に春を呼ぶ松山の「椿神社のお祭り」があり、4日は立春で、もう春を迎えます。振り返れば今年の冬に霜柱も氷も見かけませんでした。
石鎚のお山に雪が深く降り積もり白く輝く凛とした姿も、今年は何となく薄化粧で微笑みかけてくれているような気がします。

 南半球オーストラリアで大規模な山林火災があり、地球温暖化と言われている中で、何か拍車をかけて地球全体に気象変動が起こっているのでしょうか?自然界の温度の変化は、人の心へも変化をもたらしているような気がしてなりません。メリハリの無い気候はどことなく自律の心が蝕まれ、全体への適応能力が薄れ、あがいていることが多くみられるようにも感じられます。

 政治の動きを見ても、協調よりも自分ファースト(ポピュリズムの台頭)、未来展望のない揚げ足取りやパフォーマンスに終始し、結論を導かない時間を浪費するばかりの状況で、国民の心と政治家の心の間には何かで遮られ始め、不安定・不確実性が高まっています。この現象を早く解消し、「ワンチーム」の結束力で将来への課題を、痛みを伴っても早く対処療法の手当てを叡智で生み出し、取り組む必要を痛感します。

 「ワンチーム」は「One for All」(一人はみんなのために)。「All for One」(みんなは1人のために)の相互信頼の結束があってこそ達成できることです。西郷隆盛の遺訓「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くし人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」を習いたいものです。

 私は先月1月19日で満72歳となりました。27歳で地方自治に志を立て、西条市議会議員として当選をさせて戴いて以来、既に45年を経てきましたが、常に若者が希望の持てる未来のあるべき社会づくりを、政策の基本として行動や活動に取り組んできましたが、今、西条市が「若者が住んでみたい田舎暮らし」のランキング第1位に選ばれ評価されたことは、誠にうれしく今の満足で終わることなく、次への取り組みを切れ目なくチャレンジする必要があるでしょう。地域資源を最大に生かし、住んでよかった、住みたい地域づくりにこれからも頑張って、みんなの英知を集めることに努める、決意も新たに致しました。

 皇紀2680年2月11日には建国記念の日(旧紀元節)を迎えますが、令和の時代にもこの国の歴史で築かれた和の精神で、「挙国一致」世界からも信頼され、平和を築く使命感を忘れず絶やさず行動する決意を示してお祝いしましょう。

 新しい時代を勇気と叡智を束ねて切り開くために!
令和2年度の県予算も含め、県政の重要課題に2月定例県議会でも大いに議論を深めたいと思っています。

弱者を切り捨てず、こぼさず、みんなで役割の自覚をもてる社会を創ろう!

うまし国ぞ
蜻蛉島(あきづしま)大和の国は

月刊『致知」2020.2月号【巻頭の言葉】より引用 
千 玄室(茶道裏千家前家元)

『刻一刻と変化し続ける世界』

 私はかつて、トランプ大統領が就任した際、いまはいろいろと独断的な物言いをしているが優秀な経営者なのだから、アメリカの行く末に的確な判断を下せるようになるのではなかろうか、との期待を書いたことがある。まさかいまのような保護主義を強く打ち出し、独善的なアメリカ・ファーストの状況になるとは思いもしなかった。

 世界の情勢は刻一刻と変化し続け、それを伝達する情報化はめまぐるしい早さで進む。いままではどのような国であっても、その国の施政の在り方を国民に伝えるにはきちんとした記者会見が行われてきた。日本でも、官房長官が会見している様子がニュースに流れるので皆さんもご存じであろう。

 しかし、現在のようにソーシャルネットワークサービス(SNS) といわれるものを皆がこぞって使うようになり、トランプ大統領など一国の大統領や首相は言うにおよばず、政治家がこぞって自分の意見をツイッターなるもので配信している。

 私は、パソコンはおろか携帯電話も持ったことがない。何かの疑問を口にすると傍にいる者がさっと携帯電話で調べてくれるので、これはこれで便利な物だという認識は持っているし、否定するものではない。どこかの大国のようにその情報を管理統制するのはもっての外と思うが、瞬く間に情報が世界中を回り共有される早さにはいささか疲れを覚える。

 アメリカの大統領選挙は「選挙人制度」という憲法に定められている方式によるようだが、これはアメリカならではの特別の制度である。前の大統領選挙でも支持率だけをみれば、民主党のほうが有利であったはずなのだが、トランプ大統領の共和党が勝利した。ほんの1%になるかならないかの超富裕層を味方につけ、強行なる移民政策をもって労働階級の支持も取っているといわれるトランプ大統領であるから、トランプ政権が次期も続く確率は高そうだ。

 すべての人か平和と豊かさを享受することを目指した二〇三〇年までの国連の「持続可能な開発目標」は、ターゲットの主眼に「誰一人取り残さない」を置いている。どんな国であろうとも、一人も取り残すことがないように願いたい。トランプ大統領には、ぜひそのことを強く意識したリーダーになっていただきたいと願うばかりである。

『民に心をかけられた  歴代の天皇』

 我が国を顧みるに天皇陛下、御代替わりで上皇陛下になられたが、皇太子殿下時代、そして平成の三十年間を通し国民の心に寄り添ってくださる存在であられた。そのお立場で常に国民のことを念頭に置いていらっしゃる。

『万葉集』の二番目に、舒明天皇の「国見の歌」が載っている。

 大和には群山あれど  とりよろふ
 天の香具山登り立ち  国見をすれば
 国原は煙立ち立つ  海原は鴎立ち立つ
 うまし国ぞ  蛸始島大和の国は

 実際に奈良から海など見えるものではない、がしかし「今日も民が安心して暮らしている。よかった」ということを詠まれている。この民に心をかけることが大事で、そのようになさってくださるから民もついていくのである。

 これは上皇陛下に通ずるお考えであろう。そのお考えは、今上天皇へと受け継がれていると拝察している。

 めまぐるしく変わる世界情勢の中で、いまの日本の立ち位置は非常に微妙である。この時代をどのように乗り切って日本の存在価値を世界に知らしめ得るか国民が注視する必要があろう。