春よ来い!(2022/2/1)

オミクロン株などのコロナ感染禍を抑え込み、厳しさを乗り越えて、暖かな春の温もりを育ててゆこう。
世界に比類なき万世一系の「天皇」陛下を戴き、お守りするこの国で、営みを繋ぐ私たちの家族・環境も、誇りをもって守り継ごう。

 昨年末の11月中から12月上旬は、ワクチン接種の効果もあり収まりが見え始めたかと思っていたコロナ感染の問題であった。

 しかし、オミクロン株の世界的まん延の波が押し寄せ、重症化率は低いようだが若年者層にもこれまでにない感染拡大に襲われている。現在、日本中が医療体制の維持や、生活安定の維持が苦境に立たされるような状況に至っている。

 これらの対策にマスコミや野党は批判的でマイナス面ばかりを強調して取り上げるから、世論が余計に混乱する状況を生み、成果の発揮を遅らせていないだろうか?

 デモクラシーの自由・平等を強調するあまり責任を回避している世論が形成され、まん延していると思えてならない。

 自由主義国家でそのように結束力がなくなっている反面、専制・強制力をもって体制を守ろうと縛り上げる国家体制の台頭勢力により、世界全体もパワーバランス(米中ロのバランス背景を主として)が崩れ、統制力がなくなり、世界情勢でも各地で、暴動やきな臭い兆候が起こっているようだ。

 また、地球環境でも世界各地で火山の爆発や、地震の発生など、地殻変動や環境変動も顕著に感じられるようになってきたと思われる。

 どちらがどう影響しているかとは判らないが、いろいろなバランスが崩れ、協調の力が欠けている傾向が強くなっているのだが、これで良いのだろうか?

 先祖や親からいただき、受け継がれている自分の命を守る、そして関わる人々の命も守る・・。この最も大切な人間力を回復させなければならない時と思う。

 だが今は、自分の都合や力のみではついて行けない流れが起こっているとも思える。「大きな変革(社会革命)の時代」にあるとも言えるだろう。特に、そんな自覚をして世の中を見つめ、順応する必要がある。社会の流れや現象を冷静に見つめてみよう。それが今の問題や課題の多い諸現状を、解決に導き変えてゆくことに繋がるのだろう。

 2月は、如月(衣更着・気更来)で立春(4日)を迎える。また、建国記念日【紀元節】(11日)や令和天皇の誕生日(23日)もある。

 私の日常活動としては、県議会で新年度に向けての予算審議も含め、県民に希望のある明日を展開できる施策の取り組みの大切な時期である。並行して国においてもその取り組みをされる時であり、しっかりとした現状認識や展望理念をもって、同志の皆と知恵も寄せあい取り組む大切な日々でもある。

文明社会における日本の果たすべき役割

月刊『致知」2022.2月号【巻頭の言葉】より引用 
茶道裏千家前家元 千 玄室

『世界を和に導く茶道の精神性、哲学性』

  世界的にはまだ感染症の収束が見通せない中で、2度目の新年となった。本年は壬寅の年回りであり、冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れると言われる。皆で耐え忍んだ結果が、よいほうに向かうと信じたい。日本も昨秋には新たな首相が牽引する政府が船出しており、順調に進むことを切に願う。

 いつの時代にも世界を見渡すと、独裁主義者といわれる人物が一人だけ頂点に立ち、権力を振るい民を支配する国がある。民のことを思う覇権者ならば、善政を以て民衆が安寧に過ごせる国を創ることもできるであろうが、そのような国が創られることはまずない。

 今日の世界でも、近代文明国にも拘らずこのような覇権者が君臨している国が存在しており、世界に自分の力を見せつける手段として自国内の民主的なものを破壊している。国連の決議機関の常任理事国にこのような国が存在しては何も決議することができず、その機能を発揮できない。

 アフガニスタンに平和秩序が戻りつつあるとして、米軍や国連軍などが撤退したはずであったのに、独裁主義国家の後ろ盾を得たタリバンが瞬く間にその勢力を拡大し制圧してしまった。あらゆる自由を奪い人権などまるで認めない。特に女性には宗教上の戒律を強いて職場からも追い出すようなやり方に、為す術のない現状は本当に歯がゆいばかりである。

 サミュエル・ハンチントン著『文明の衝突』に書かれていることが現実となり、宗教上や慣習上での衝突が起こってきている。

 国際問題に重要な役割を担っている国家が、長い間権力と持てる富で利己的な行動をとってきた。今日の世界はご承知のように情報過多であり、多様性を重んじるがために憶測が憶測を呼び、利潤追求に走る東西南北が入り交じった様相を呈している。

 そのような中でも、文化的好みの共通性と相違性を知り、互いに得られるものを模索し合っている姿も垣間見られる。

 私が茶道をもって海外へと出た時、「日本人にも難しい茶道が、外国の人に理解できるはずがない」と言われた。だが、国境を越えて驚くべき広まりを見せた。外国の方は全く先入観念がなく、かつ自分が知らないものを吸収したいという気持ちが強いように感ずる。

 茶道は、長い年月引き継いできた文化的伝統を伝承してきたものであり、表面的には変化しているように見えるかも分からぬが、根本にある精神性、哲学性は常に変わらぬ。そこを外国の方は敏感に感じ取り、茶道に向き合うのである。

『国際社会での文明の盛衰』

 かつて冷戦時代といわれた時期、アメリカとソ連、及び中国との対応は秘められた情報交流により、それぞれが都合のよい同盟を構築していた。冷戦後は大小様々な国が成長し、それぞれの国政もしっかりしてきたため独立性を高めている。半面、超大国を利用するような仕組みで政策をなしている国もある。

 ロシアの歴史を振り返るとピョートル大帝以来、東欧文明とユーラシア東方正教会を元にする文明とに引き裂かれた。

 いまはプーチン大統領により強力な国家主義的団結を計っている。決して共産主義に戻っているのではないが、自国の力を世界に誇示する方策をとりだしているように思う。それに対する反対派を封じ込んで、まるでスターリンの再来の様相であるが、何か一芝居しているようにも感ずる。ロシアに限ったことではなく、アフリカや中近東の小さな国でも一夜のクーデターで文明さえも変わってしまう。

 文明は、人類が生存していくために誠に重要である。日本には日本の長い歴史と伝統の中で積み重ねた文明があり、その中で育成された日本人の魂をぶつけて私も先の第2次世界大戦で戦った。文明には多くの魂が存在する。日本はその中立性の高い文明をもって、衝突が起こった際には仲介できるだけの力を持ちたいものだ。

 日本はその中立性の高い文明をもって、衝突が起こった際には仲介できるだけの力を持ちたいものだ