迎 春(2026.1.1)

共生・共創の社会に向けて

 新年明けましておめでとう御座います

 皆様にはお揃いで、清々しい新年をお迎えのことと、お慶び申し上げます。本年も宜しくお願いいたします。
今年の干支歴が「丙午」(ひのえうま)と聞いて、え!? と思われた方がいらっしゃるのではないかと思います。
「丙午」年の生まれ女性は「気性が激しく、夫の命締める」などと言った全く何の根拠もない迷信が広まり、60年前の昭和41年には、出生数が前年よりも25%も減りました。今、我が国は少子化が将来の適正な社会維持のための大きな問題であり、元気な子供を産み育て活力を生み出して『勢いのあるパワフルな年』にしましょう。

積善の家に余慶あり

 来る5月17日に「全国育樹祭」が本県で開催され、天皇皇后両陛下が御来県の予定です。
その節には「世界に比類なき悠久の歴史を重ね、国民の平安を祈り、品格と尊厳を守る皇室」と共に歩むべく、奉迎の意を表しましょう。

和を以て貴しとなす

 絶対に戦争に巻き込まれてはなりません。国益の確保と世界平和への貢献との両立をはかり「自立する国家」を!

 先の世界大戦から80年を経ましたが、最近の世界の政治情勢を見ているとロシアや中国の全体主義国家が覇権の言動を一層強め、世界の平和や調和が益々崩れつつある状況です。自由と民主主義国家のリーダーを担ってきたアメリカ合衆国も「自国ファースト」主張のトランプ大統領が気分屋的な言動が多く、世界秩序も安心が出来ません。

 このような時、我が国のリーダーが初めて女性の高市総理となり内外共に注目されていますが、残念ながら衆議院・参議院共に第一党(自民党)が過半数を大きく割り込み、厳しい国会運営の状況です。自立の信念を強く持ち『国を守り・国民を守るという「高市イズム」』で、「国民の不安を希望に変える」政策重点の政治姿勢に、国民の理解と共感の支持も高まっています。

 地球環境の悪化・気候変動は、すべての生物の存亡や災害誘発にも警鐘を鳴らしています。相次ぎ頻発する「地震」や防災対策には、『自助』『共助』『公助』の備えと点検を怠らず、強化が必要です。

 また、インターネット情報社会の目覚ましい進展は、社会構造をも大きく変えています。『共生・共創』の新時代とし、政府も国民も一体となって知恵を出し合い課題解決に取り組まねばなりません。誰かのせいにして責任逃れしていては、解決にはつながりません。この情勢に対応すべく全国に先駆け、今年5月から愛媛県では県庁舎内に「官民共創拠点」を設置し、多様な主体が出合いつながり共創する起点を設けます。無料です。チャレンジ精神と課題を持つ方積極的参加を呼び掛けています。

 足元をしっかり見つめ固めて「西条」「愛媛」「日本」に住んで良かったと生きがいが享受できる社会づくりに、皆様と共に鋭意取り組んでまいります。

私ごとですが、先日かねてより念願だった「天孫降臨」の神話の地、高千穂峡・天の岩戸宮に訪れる機会を得て、心穏やかな時間を過ごすことが出来ました。皆々様と共どもに、厳しくとも穏やかに今年も幸ある一年であることをお祈りし、年頭のご挨拶とさせていただきます。

徳と品格を養い 夢を持って 新たな年を迎えよう

月刊『致知」2026.1月号【巻頭の言葉】より引用
高千穂神社宮司 後藤俊彦

~ 歴史上稀有の時代の象徴として ~

 猛暑に悩まされた夏から秋へと季節は駆け足過ぎ、戦後八十年を迎えた今年も残すところひと月余りとなった。

 本稿を書こうとしているきょうは十一月三日、”文化の日”である。かつてこの日は明治天皇の御生誕にちなみ、明治節あるいは天長節と呼ばれていた。天長節の語源は、中国春秋時代の思想家である老子の「天長地久」(天子の寿命が天地のように長く続くこと)と言われる。

 明治時代は我が国が日清・日露という二大国との戦争に勝利し、西洋諸国が二百年かけてつくった近代国家を三十年足らずで成し遂げた歴史上稀有の時代であった。この明治日本の象徴として国を統治された精神的権威が明治天皇であったことは、夏目漱石の小説『こころ』にも記されている。

 明治天皇は幼い頃より四書五経などの漢籍をはじめ、我が国の国史をも深く学ばれ、 一方で、和歌に関しては六十一年の生涯の中で十万首に近い御製を残しておられる。その多くは大空のごとく広大であり、堂々として、しかも仁と誠に溢れた作品が多く、気高い帝王の風格が偲ばれる。

 このように歌人としても、文学や教育の面においても、当時の国民思想に大切な影響を残された明治天皇の御生誕の日が、戦後の一時期、占領政策により廃止されながらも、昭和二十三年に文化の日として復活したことは誠に意義深いことであった。

~ 偉大なる国家を目指して ~

 戦後八十年となる今年は、大阪大学特別栄誉教授の坂口志文先生と京都大学特別教授の北川先生がそれぞれノーベル生理学・医学賞と化学賞を受賞され、十年ぶりのダブル受賞の偉業に国民は歓喜した。

 戦後間もない一九四九年に中間子理論でノーベル物理学賞を受賞された湯川秀樹博士は、少年時代は古典や文学に親しまれ、俳句や和歌に対する造詣も深かった。文化勲章を受章され、日本が誇る世界的な数学者であった岡潔先生も氏の著書『春宵十話』の中で、人間の情緒の大切さを説かれ、『万葉集』以来の和歌や芭蕉の俳句に造詣の深い方であった。

 このような思いを抱きつつ、十一月三日の新聞を開くと、この日は米大リーグのワールドシリーズで、ドジャースを二年連続九度目の優勝へと導いた大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、三人の日本人選手の活躍が大々的に報道されている。これはスポーツの記事ではあるが、三人選手のそれぞれの人格とマナーや試合に臨む責任感や誇り(プライド)が、さらに野球ファンではなくとも多くの人々に感動と共感を与え、野球というスポーツを通して、日本の精神文化高さを証明してくれているように思える。 かつてトルネード投法で野球界を沸かせた野茂英雄投手は、凋落の瀬戸際にあった米国の大リーグを救い甦らせた選手とも言われるが、政治としての日米同盟も世界に尊敬される同盟国とし崇高な精神性に基づき世界の平和と繁栄に貢献してもらいたいものである。

 一方で、文学の世界でも日本の女性作家が英国をはじめ世界で注目されているという。思えば我が国では既に千年以上も昔に紫式部が『源氏物語』という五十四帖の大作を書き残し、女流文学の花を咲かせた時代があった。

 そのような時代の風潮の中、十月二十一日に自由民主党総裁の高市早苗氏が女性として我が国の憲政史上初めての総理大臣に選ばれた。高市氏は以前にも総裁選に立候補して、その知名度は高かったが、明治以来の憲政の歴史を顧みこの度の女性総理の誕生は特筆すべき出来事であり、世界の国々も大々的に報道した。

 高市氏はある意味で強運の人でもある。自由民主党の単独政権が不可能となり、多党分立の時代を迎えての国政の舵取りの困難さは、火を見るよりも明らかであるが、そうであればこそ、天(世論)はこの人を総理の地位に推し上げたものと思われる。思えば日本神話の天岩戸開きで中心的役割を果たしたのは天鈿女命という女神であった。いずれは国政の頂上(てっぺん)に立つという高い志をもって不断の努力をされその積み重ねが、女性総理大臣誕生の奇蹟を実現させたものと思われる。

 登山家は山の頂上に立つことが最終目的であるが、一国の総理はその頂点に立ち、さらに国家と国民の安寧のために人跡未踏の道を歩んで行かなければならない。 積善の家に余慶ありという言葉があるが、偉大なる国家というものは独善的な力や富だけでなり得るものではなく、国家としての徳と品格が重要な要素である。 高市氏は自らの政治理念を「世界の真ん中で咲き誇る日本」と表現したが、それは私ども国民一人一人の夢でもある。そのような夢を失うことなく日々を生き、新年に備えたいものである。

 登山家は山の頂上に立つことが最終目的であるが、一国の総理はその頂点に立ち、さらに国家と国民の安寧のために人跡未踏の道を歩んで行かなければならない。 積善の家に余慶ありという言葉があるが、偉大なる国家というものは独善的な力や富だけでなり得るものではなく、国家としての徳と品格が重要な要素である。 高市氏は自らの政治理念を「世界の真ん中で咲き誇る日本」と表現したが、それは私ども国民一人一人の夢でもある。そのような夢を失うことなく日々を生き、新年に備えたいものである。