H30年3月7日(水) 一般質問 明比昭治(自民)の質問要旨と答弁要旨

一般質問(要旨)=> 理事者答弁(要旨)

国体のレガシーを生かした大規模なスポーツ大会の開催に向け、今後どのように取り組んでいくのか。

 えひめ国体・えひめ大会は、県民に大きな喜びと感動を与え、大成功のうちに幕を閉じた。各市町や競技団体では、競技審判員の育成、地域住民やボランティアスタッフとの連携など、様々な課題の解決に取り組みながらも、大会までには準備を整え、万全の態勢で大会を成功へと導いた。

 このようなえひめ国体・えひめ大会の開催で培われた人材やノウハウは、整備された施設や設備と合わせて、本県にとって貴重なレガシーであり、スポーツ立県えひめの実現に向けた大きな力になる。

 スポーツに対する機運を持続、発展させるためには、これらのレガシーを生かして、全国大会など大規模なスポーツ大会を今後も積極的に誘致し、多くの県民がスポーツに関わることができる機会を提供していくべきである。大規模なスポーツ大会の開催は、本県選手の競技力向上や競技人口の拡大が期待できるだけでなく、交流人口の拡大と地域活性化につながると思う。全国から注目されるとともに、多くの県民の関心を誘うスポーツ大会の誘致に取り組んでほしい。

 このような中、先日、県体育協会が知事に対し、2020年に日本スポーツマスターズを本県で開催するよう要望したとの報道があった。同大会は、シニア世代の国体と呼ばれ、約1万4,000人の参加が見込まれる大規模なスポーツ大会である。また、高い経済効果も期待でき、本県のスポーツ振興と地域活性化に資するものであり、知事の強いリーダーシップの下、市町や競技団体と協力し、本県での開催を実現してほしい。

=> 知事答弁

 県政を進めていくに当たっては、県民一人ひとりの価値観や関心事の違いから全員の方に満足いただけるような結果を残すことは難しいとは思う。与えられた条件の中で、よりベターな選択をしながら政策の推進に取り組んでいるところである。足らざるところたくさんある中で、温かい御評価をいただきまして、誠にありがとうございます。時代の変化を常に先取りしながら、これからも政策立案がんばっていきたいというふうに思う。

 大規模なスポーツ大会の開催は、競技スポーツの振興をはじめ、県民のスポーツに対する関心や意欲を高めるとともに、交流人口の拡大を通じて地域の活性化が図られるなど、大きな効果が生み出されることから、県では、支援策を講じ、積極的に誘致に取り組んでいるところである。

 特に、昨年のえひめ国体・えひめ大会によって、施設の充実や運営ノウハウの蓄積が図られたことから、新たなセールスポイントとして働き掛けを強化しており、例年東京で行われていた「全日本大学対抗テニス王座決定試合」の誘致に成功するなどの成果が出始めている。

 また、今回、県体育協会から要望のあった日本スポーツマスターズについても、国体のレガシーを活用することができ、大きな経済効果や国際交流の促進が期待できることから、市町や競技団体の協力を求めながら、2020年度の開催について前向きに検討しているところである。

 今後とも、えひめ国体・えひめ大会のレガシーを最大限活用するとともに、大会開催に対する支援を拡充し、市町等と連携しながら、県内各地で多様な大会が開催されるよう精力的に誘致に努めることにより、「スポーツ立県えひめ」の実現を図ってまいりたいと思う。

来年度実施する行革甲子園について、前回の実施状況を踏まえ、どのように取り組むのか。

 行革甲子園は、基礎自治体である市町が懸命に取り組んできた行政改革の成果を発表し合い、そのアイデアやノウハウをチーム愛媛で共有する本県ならではの先駆的な取組みであり、平成24年度以降、これまでに3回開催されている。

 行政改革と言うとマイナスイメージを持たれがちであるが、これまで行革甲子園で発表された先進事例を見ても、決して後ろ向きではなく、未来志向の仕事であり、これからも地方自治体が最少の費用で最大の政策効果を発揮していくためには、絶えず取り組むべき課題であると思う。

 昨年度開催された行革甲子園2016は、対象を全国の市区町村へ拡大して実施し、実施結果を全国に情報発信することで高い評価を得たと聞く。
来年度当初予算案には、行革甲子園の開催事業が盛り込まれているが、地方自治の最前線に立つ市町の行政改革の取組みを支えるためには、県が率先して行革甲子園を開催し、市町を支援していく必要があると考えており、今回の取組みに賛同する。

=> 知事答弁

 行革甲子園は、「行政改革に終わりなし」との認識の下、後向きに捉えられがちな行革を、明日への力を得るための極めて前向きな取組みとして「チーム愛媛」で共有し、市町が互いに刺激し合い、新たな施策に結びつけることで、市町の行革の推進を支援するため開催してきたところである。

 28年度に開催した行革甲子園2016では、対象を全国の市区町村に拡大して開催したところ、47全ての都道府県の110市町村から104もの応募があり、大会内容が全国紙や国の会議などで高い評価をいただいたほか、発表事例等を参考に、県内全20市町で新たな施策が検討・実施されるなど、市町の行革の底上げに大きな効果があったのではないかと認識している。

 来年度の実施においては、引き続き全国版として開催し、大会参加者が発表事例への理解を深め、更なる事例の横展開に結びつくよう発表及び質疑応答時間の拡充を図るほか、新たに国際色を出すこととし、IT化が進む台湾から、台北市の電子決裁システムの見直し等により決裁のスピード化を図った事例を紹介するなど、内容の充実を考えている。

 今後とも、全国版の行革甲子園を継続的に開催し、市町の行革の取組みを積極的に支援するとともに、県と市町が連携して行革を推進してきた「行革先進県愛媛」を全国に向け発信し、全国の行革を先導してまいりたいと思う。

廃棄物問題について

(1)市町災害廃棄物処理計画の策定を支援するなど、オール愛媛での災害廃棄物処理体制の整備にどのように取り組んでいくのか。

 東日本大震災では東日本の太平洋沿岸部を中心に災害廃棄物約2,000万t、津波堆積物約1,100万tが発生したが、その後処理が進められ、平成26年3月末までに福島県の一部を除く地域で処理が完了した。また28年に発生した熊本地震では、約289万tの災害廃棄物が発生したが、発災後2年以内の処理完了を目指して処理が進められ、現在、ほぼ完了したと聞く。

 一度被災すれば、大量の災害廃棄物が発生し、発生した廃棄物は、放置されると救助・救援の妨げとなるだけでなく、処理が進まなければ腐敗等により、悪臭や害虫の発生といった衛生環境の悪化を招くなど大きな影響を及ぼすため、早急な対応が必要となる。

 このような災害廃棄物への対策として、国は東日本大震災で得られた様々な経験や知見を踏まえ、26年に災害廃棄物対策指針を策定した。本県では、この指針に基づき、南海トラフ地震に備えて、28年に県災害廃棄物処理計画を策定し、現在は各市町が市町災害廃棄物処理計画の策定に取り組んでいると聞く。

県民環境部長答弁

 大規模災害による被災地の復旧・復興には、一時的に大量発生する災害廃棄物の適正かつ円滑・迅速な処理が不可欠であることから、南海トラフ地震に備え、市町において、地域特性に応じた処理方法や仮置場の選定等を盛り込んだ災害廃棄物処理計画を早期に策定することが喫緊の課題である。

 このため、県では、東日本大震災や熊本地震の被災自治体、環境省等の協力を受けて、昨年度は、災害廃棄物対策フォーラムや市町計画策定ガイドライン説明会を開催したほか、今年度は、実践的なワークショップを実施し、市町のスムーズな計画策定を支援するとともに、市町単独での処理が困難な場合を想定し、建設業協会や産業廃棄物協会の参加も得て、県内5地域でブロック別災害廃棄物対策協議会を立ち上げ、連携強化を図ったところである。

 今後は、来年度中に全ての市町で災害廃棄物処理計画が策定できるよう、引き続き、ワークショップやブロック別協議会の開催、個別の市町ヒアリング等を通じて、きめ細かな助言や支援を行い、オール愛媛での実効性のある災害廃棄物処理体制の整備に取り組んでまいりたいと考えている。

廃棄物問題について

(2)廃止された市町のごみ焼却施設の解体を促進するため、どのように対応していくのか。

 ごみ処理は、住民の快適な生活を守る基本的な行政サービスの一つであり、ごみ処理施設はそれを支える重要なインフラである。

 西条市では、市町村合併前の平成3年から旧市町が連携・協力して、日量200tの焼却能力を有する道前クリーンセンターを操業し、ダイオキシン対策のための改造工事を経て、今日まで処理を続けているが、現在、施設更新の検討を行っていると聞く。また、宇和島地区広域事務組合では、昨年10月に圏域内の広域的処理と既存施設の集約を目的とする新たな環境センターが稼働した。今治市でも、本年4月から新たなごみ処理施設が本格稼働する。この施設は、17年の市町村合併当時から稼働していた施設を一つに集約するもので、リサイクル施設を有するとともに、焼却熱を利用した発電により、当該施設はもとより周辺の公共施設でも電力を利用するほか、南海トラフ地震に備えた地域の防災拠点としても活用できることになっていると聞く。

 このように新しい施設整備が進む一方で、廃止された市町のごみ焼却施設の解体が十分に進んでいないことが懸念される。ダイオキシン類の排出が規制された10年12月以降、県内で休・廃止した市町のごみ焼却施設は29施設に上るが、解体されたのは15施設であり、いまだ14施設が解体されていないと聞く。解体が進まない理由としては、解体費用が高額で、市町も厳しい財政状況の中、解体に踏み切れないという事情があるようだが、早期解決を図ってほしい。

県民環境部長答弁

 現在、稼働の目途がない市町のごみ焼却施設は14施設あるが、市町の財政状況が厳しい中、解体作業員のダイオキシン類の暴露防止対策や周辺環境の汚染防止対策等の費用が高額なこともあり、未だ解体の予定が立っていない施設も多い状況である。

 このため、国では、都道府県や市町村からの要望を受け、解体に係るダイオキシン類調査費や、跡地にストックヤード等の新たな廃棄物処理施設を整備する場合に限り解体費を循環型社会形成推進交付金の対象とするほか、市町の公共施設等総合管理計画に基づく解体の場合はその費用を地方債の対象としており、県では、市町に対し、これらの制度を周知し、その活用を助言しているところである。

 県としては、解体処理を加速化させるため、跡地利用の有無にかかわらず、解体費を交付金の対象とすることなど、引き続き、国に対し、財政支援の確保・充実を強く要望するとともに、市町の参考となるごみ焼却施設の解体事例を収集し、情報提供を行うなど、市町への支援に努めてまいりたいと考えている。

廃棄物問題について

(3)県廃棄物処理センターの現在の経営状況はどうか。また、施設の老朽化や供用期限等を踏まえ、今後どのように対応していくのか。

 本県では、県、70市町村、民間団体の出えんにより、平成5年9月に県廃棄物処理センターを設立するとともに、新居浜市に焼却・溶融施設を建設し、12年1月から東予事業所として稼働している。東予事業所では、当時、市町村や民間事業所で処理が困難な下水道汚泥や焼却灰などを受け入れて処理し、処理後の残さ物も道路整備の路盤材等として再利用することにより全てを有効活用する、いわゆるゼロエミッションを達成するモデル的な施設として処理を行っていたが、建設当初の借入金が経営を圧迫し、初年度から赤字となるなど、厳しい経営状況が続いていた。

 このような中、経営改善につながる取組みとして、22年6月から全国で初めて環境大臣の認定を受けて、長年、処理困難物として保管されてきた微量のPCBを含む廃電気機器の絶縁油等の処理を開始するとともに、25年3月にはトランスなどの低濃度PCB廃棄物処理の追加認定を受けるなど、様々な処理困難物の適正処理に取り組むことで、経営改善を図ってきたと聞く。

 しかし、リサイクルの進展などによる廃棄物搬入量の減少や民間事業者による低濃度PCB廃棄物処理施設の増加に伴う競争激化により、再び厳しい経営状況になっている。また本年4月からは、今治市の新たなごみ処理施設の本格稼働に伴い、同市からの廃棄物搬入量が大きく減少するほか、建設後18年が経過し、施設の老朽化に加えて、地元協定による供用期限が32年1月に迫っているとも聞く。

県民環境部長答弁

 愛媛県廃棄物処理センターは、赤字経営が続く中、平成22年の全国初の微量PCB廃棄物の処理開始により収入が増加し、経営改善が進んだが、平成26年以降民間事業者の参入が相次ぎ、市場競争が激化し、PCB処理収入も大きく減少した。さらに、循環型社会の進展に伴い市町からの廃棄物搬入量は減少傾向にあり、経年劣化による施設修繕の増加も相まって、非常に厳しい経営状況になっている。

 来年度は、今治市で新たな施設が本格稼働するなど、センターでの廃棄物処理量が更に減少するため、センターでは徹底したコスト削減と一層の収入確保に努め、経営の安定化を図ることとしており、県としても運営費の無利子貸付を拡充するなど、支援していくこととしているが、今後、施設の老朽化が進み、地元協定による平成32年1月の供用期限も迫っていることから、現在、県、東予5市町、センターとの間で社会的役割や必要性、経営の見通し等を踏まえ、今後の事業方針について、本年6月頃までを目途に、廃止を含めた検討を進めているところである。

県営の多目的ダムの老朽化対策や堆砂・流木対策の取組状況はどうか。また、安全性の確認も含め、地震対策に今後どのように取り組むのか。

 近年、毎年のように大規模な豪雨災害が全国各地で発生している。本県でも、昨年9月の台風18号では、県内各地で観測史上最大の降水量を記録し、蒼社川や重信川では、一時、氾濫危険水位を超え、避難勧告が発令された。

 昨年の九州北部豪雨では、福岡県朝倉市を流れる佐田川上流にある寺内ダムの貯水能力を最大限活用し、約8km下流の最高水位を約3m引き下げ、氾濫を防止したほか、本県でも、昨年の台風18号の際、玉川ダムの洪水調節により、蒼社川の最高水位を約30cm引き下げたと聞く。

 全国的に豪雨が局地化、激甚化する中、本県は平地が少なく、また河川は急流で短く、雨が降ると瞬く間に水位が上昇する危険があるため、豪雨の際、貯水により下流の水位を引き下げる機能を発揮するダムは、河川の氾濫を防止する上で、重要な施設である。また、ダムの貯水は、必要に応じて飲料水や農業用水、発電・工業用水と多用途に活用できるため、降水量が比較的少ないとされる本県にとって、利水上も大きな役割を果たしている。

 県が管理する六つの多目的ダムは、最も新しい今治市の台ダムでも完成から約26年が経過し、最も古い新居浜市の鹿森ダムは完成から約55年が経過しているほか、西条市の黒瀬ダムも完成から約45年が経過している。残る今治市の玉川ダム、宇和島市の須賀川ダムと山財ダムも完成後30~40年以上経過しており、いずれのダムも相当の年月を経ている。平成24年に笹子トンネルで起きた天井板落下事故以降、各種インフラの老朽化対策が進められているが、ダムも例外ではなく、設備や機器類の点検・更新を怠らず、異常時でも万全の機能が発揮できるよう整備しておくことが重要である。

 先日、県内六つのダムの状況を現地で見聞したが、鹿森ダムや黒瀬ダムでは、計画を超えて堆砂が進み、いずれも計画堆砂量の200%を超え、堆砂の速さが計画の4倍になっている状況とのことであり、先行きが懸念されるほか、流木などの処理対策にも取り組む必要があると思う。また先般、発生確率が引き上げられた南海トラフ地震等への備えも心配している。

土木部長答弁

 県では、ダムを適正に維持管理するため、日々の巡視や点検の結果により、異常箇所の修繕を実施しているが、進行する施設の老朽化に対し、施設の延命化と維持管理費用の平準化を図るため、長寿命化計画を来年度を目途に策定する予定である。
また、堆砂や流木については、災害復旧事業などにより撤去しており、流木の処理にあたっては、希望者に無償提供するなど経費削減に努めているところである。さらに堆砂が進んでいるダムについては、治水上影響がある土砂の除去や進行を抑える貯砂ダムの増設などの対策を検討したいと考えている。

 一方、地震対策については、これまでに、ダムを操作する管理事務所の耐震対策を完了し、現在、玉川ダムでダム本体やゲート等について耐震性能照査を行っており、今後、その結果を踏まえて、耐震性の向上や他のダムでの対応を検討することとしている。

 今後とも、県民の安全・安心や生活基盤の形成に必要不可欠な多目的ダムが、将来にわたり機能を発揮できるよう適正に維持管理してまいりたいと考えている。

県立学校のICT環境の整備にどのように取り組んでいるのか。

 県立学校施設の耐震化については、今年度末で完了する予定であり、施設が倒壊するおそれは大幅に低下したが、今後も老朽化対策は必要であり、その維持管理にはトータルコストの縮減や平準化を見据えた計画が求められる。

 県では、平成32年度までに、県公共施設等総合管理計画に基づく県立学校施設の長寿命化計画、いわゆる個別施設計画を策定すると聞く。老朽化が進行する給排水や電気設備等への対策だけでなく、より快適な学習環境を整備するためのエアコンの設置や生活環境の変化に対応したトイレの洋式化などの教育環境の向上を含めた計画が策定され、スピード感を持って具体化されることを期待している。

 34年度から実施予定の高校の新学習指導要領改訂案では、情報活用能力が言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けられるとともに、「各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」が明記され、今後、積極的にICTを活用することが想定されている。また先日、県の調査において、県内中学生の携帯電話・スマートフォン所持率が約6割に上り、小学4~6年生の所持率も4割を超え、小中学生とも過去最高となったとの報道があったが、このような現状を踏まえ、子どもの未来を見据えた対応が求められていると思う。

 西条市では、ICTを活用したまちづくり「スマートシティ西条」の実現を目指し、全小中学校の普通教室への電子黒板の導入、モデル校でのタブレット端末による授業や複数の学校による遠隔合同授業の実施など、先進的な教育の情報化施策を推進し、本年1月、第2回全国ICT教育首長サミットで最優秀賞を受賞するなど、全国的にも高い評価を受けている。次代を担っていく子どもの教育への投資こそが今一番必要である。

 ICTを積極的に活用した学びに連続性を持たせて、新学習指導要領に的確に対応した教育を推進するためには、県立学校においてもICT環境の整備が不可欠であり、今後、学校内で広くインターネットが活用できるよう、Wi‐Fi環境の充実が求められる。また、教職員の業務改善を進める上でも、ICTは有効に機能する。

教育長答弁

 ICTを活用した教育の情報化は、生徒の深い学びの実現や情報活用能力の育成、教職員の効率的な校務の遂行など、教育全般の質の向上につながることから、県教育委員会では、平成27年度に、松山商業及び伊予高校にタブレット端末、Wi-Fi等を整備したのに続き、今年度は、全県立学校に電子黒板を、特に松山東及び松山商業高校については全普通教室に導入し、双方向型授業の実践研究に取り組んでいるほか、来年度からは、各職業学科の専門的教育に対応したICT機器の整備を加速することとしている。

 また、全ての県立学校をネットワーク化する情報基盤「愛媛スクールネット」について、セキュリティ強化を図るとともに、教職員用端末をタブレットとしても使用できるノートパソコンに適宜更新しているほか、来年度から、校務支援システムを順次導入することとしており、生徒の出席状況や成績評価などの事務処理の電子化・簡素化を進め、教職員の業務改善につなげるなど学習・校務の両面から教育の情報化の推進に努めているところである。

 県教育委員会としては、引き続き、公開授業や研究協議を通じ、電子黒板やタブレット端末などICTを活用した教育効果の検証を行うとともに、Wi-Fiをはじめとする県立学校のICT環境の整備・充実について検討してまいりたいと考えている。