実り豊かな秋を取り戻そう!(2026.10.1)

復旧と再建に励む皆さまへ寄せる思い

 8月の熊本地震による被害は未だ完全復旧には至らず、その後も震度3程度の地震が断続的に発生しています。夏の厳しい高温の中で復旧作業が思うように進まず、皆さまの心も折れそうになる状況の中で懸命に復興へ取り組まれていることに、心よりお見舞い申し上げます。各地から支援が届いていることと思いますが、どうか気丈に頑張ってください。

 さらに9月に入り、連日の30度を超える暑さの中、日本列島では猛暑日・酷暑日が続いていました。そこへ台風や日本列島に停滞する前線の影響が重なり、関東地方では局所的に線状降水帯が発生し、大雨による浸水被害が各地で起こりました。車が水につかって制御不能となる事例も多く、尊い命が失われました。

 9月22・23日には局地的な大雨が止まず、がけ崩れや住宅への浸水などの被害が発生し、千葉県では特に大きな被害が出ています。関東一円での水害は未曽有の状況となっています。

 被害を受けられた皆さまは、明日の生活をどう再開するかという厳しい現実を前に、本当に辛い思いをされていることと胸が痛みます。どうか周囲の力を寄せ合い、行政とも相談を重ねながら、再建へ向けて歩みを進めていかれますよう心より願っております。

揺らぐ地球環境と国際秩序の中で、平和を願う声

 先にヒマラヤの氷河が溶け、ネパールで大規模な災害が発生したことでも明らかなように、地球環境の変動への対策は、いまさらと言わず全人類が取り組まなければならない課題です。

 アメリカ・ファーストを掲げ、トランプ大統領が世界のリーダーとして振る舞っていますが、その根底には「トランプ企業」の利権確保や、アメリカ合衆国としての強権的な利権維持が優先されているようにも見え、世界協調や世界平和の維持という政治理念が見えにくい状況です。この先の国際政治の秩序も、地球環境と同様に不安定要素が多く、懸念が尽きません。

 ニューヨークの国連本部には、日本から贈られた『平和の鐘』があります(発起人は愛媛県宇和島市長を務められた中川千代治氏)。その鐘には、「世界絶対平和万歳」と刻印されています。世界に平和を呼びかける記念の日には、今年もこの鐘が打ち鳴らされました。宇和島市でも同様に平和の鐘を打ち鳴らし、平和を祈念する行事が行われているとのことです。

神無月の祈り 幸せを分かち合う心

 さて、10月は「神無月」。日本全国の神々が出雲に集まり、国の安泰と豊穣を祈るとされています。 神々の願いは、民の幸せにほかなりません。自分さえ良ければという心では、本当の「幸せ」は訪れません。 皆が互いの幸せを願い合うことこそ、平和と安寧につながるものだと感じます。

 各地の神社で行われる秋祭りも、地域の平穏と安寧を祈る大切なお祭りです。地域の人々が支え合い、心を寄せ合う場として、ぜひ参加し、共にその思いを分かち合いましょう。

 ご報告申し上げます。
私は去る7月6日、「動脈乖離」の治療としてステントを挿入する手術を受けました。 この手術に際し、執刀医より副作用として下半身に麻痺が残る可能性があるとの説明があり、現在はリハビリに励んでおります。

 一日も早く歩行を取り戻し、議会活動にも復帰できるよう、全力で取り組んでおります。 皆々様には温かいご理解を賜りますよう、ご報告方々お願い申し上げます。

日本の歴史を貫く 心の御柱を保つ

月刊『致知」2026.10月号【巻頭の言葉】より引用 
高千穂神社宮司 後藤俊彦

~我が国で培われてきた「もののあはれ」という情感~

 世界各地で厳しい酷暑を経験した今年の夏は、さらに本格化する気候変動の時代を感じさせた。私の小学校時代の思い出に、故里の川での水泳と夏休みの自由課題に選んだ郷土史の研究がある。 近年は河川での水難事故防止や熱中症対策の観点から、地方でも公設のプールでの水泳が主流であるが、私どもの子供時代は自然に流れる川であった。そこでは蝉の鳴き声や川面をわたる風の音を聞き、蜻蛉やアイナメなどの魚を見ることもできた。何よりも川には流れに変化があり、場所によって水深も異なるから、年長の子供は低学年の子供に泳ぎの知識を授け、自然について物学びする自然学習の場でもあった。

 もう一つの自由課題は、戦国時代に豊後国を治めていたキリシタン大名の大友宗麟が、キリスト教以外の神仏は悪魔であると(当時の思想から村内の社寺を焼き払った歴史についてであった。夏草の生い茂る山道や戦場となった川原を歩きまわった少年期の夏の経験が懐かしく回想される。

 一方で、世界各地で暴力や紛争が拡がり、人間の理性と道徳心が薄れてゆく国際社会の現況は、人類の未来に不安の影を落とし続けている。そのような最中、七月二十八日の午後、熊本県を震源とする震度7の熊本大地震が発生した。十年前の二〇一六年に起きた日奈久断層の一部が繰り返しずれたことが原因といわれる。

 思えば、私どもは大自然という大海の上に浮かぶ小島で生を営んでいるに過ぎないのである。高度に発達した科学と文明の恩恵に馴れ過ぎて、人もまた自然の一部であることを忘れ、自然は人間のために存在し、人間の力で制御できるかのような錯覚に陥っているのではないかと思うことがある。

 伊勢神宮に伝わる鎌倉時代に書かれた「神道五部書」の一つに、「人は乃ち天下のあこころ賜わりしものなり、心神を傷ましむるなかれ」とある。人もまた自然と同じく天地の神によって生み出されたものであるという思想である。地震や台風など自然災害が多い我が国では、自然を畏敬し、人と人とが相互に助け合う協調心が生まれ、「もののあはれ」という情感が培われてきた。

 江戸時代、 一七八七(天明七)年に現在の神奈川県小田原市に生まれ、後にすべての人々が幸福になる報徳思想を説いた二宮尊徳翁(二宮金次郎)の和歌に、音もなく香もなくつねに天地は書かざる経をくりかへしつつというものがある。思えば、いにしえの人々は現代人以上に自然との交わりが深く、自然の運行や観察を通して多くの知恵や、人と自然が調和して生きる大切さを学んでいたように思われる。そうして、この世が諸行無常であるが故に一期一会の人間関係を大切にし、四季折々の自然美に心をよせてきた。

~世界に類例のない 奇跡を実現した日本~

 この夏、一陣の涼風のようにもたらされたニュースの一つは、飛鳥 藤原の宮都が世界文化遺産に登録されたことである。聖徳太子が活躍した六世紀末から平城遷都にいたる飛鳥時代の古代史を彩る文化遺産から、我々はもとより世界が学ぶことは多い。

 世界の国々の歴史的遺産が往々にして破壊や盗掘に遭ったのに対して、古代日本文明の故郷とも言うべき飛鳥・藤原の宮都は、地元の人々の暮らしの中で大切に護り伝え続けられてきた。

 我が国には木造建築では世界最古といわれる奈良の法隆寺をはじめ、数百年を超え、度重なる地震にも耐え抜いて現存している建築物がある。これらの建物には各層を貫く柱がなく、塔の中心に宙吊りと言ってもよい太い柱が吊り下げられているが、建物を支える構造物とは関係のないものと言われる。その役割は、地震などの揺れを吸収緩和するためのものと言われており、二〇一二年に東京都墨田区に自立式電波塔として建設された世界一の高さを誇る東京スカイツリーの構造にも採用されたとのことである。

 全国の神社の本宗といわれる伊勢神宮は式年遷宮といって二十年ごとに造替される。中心になるご正殿の床下には『心御柱”と呼ばれる白木の木柱が立っているが、これ建築物として実用的なものではなく、清浄・神秘の象徴を表現するもので、忌柱とも呼ばれている。

 米国はこの夏、一七七六年七月四日に建国されてより二百五十年の建国記念日を迎えた。しかし、母国イギリスの王制に反対して自由社会を理念として独立した米国は建国二百五十年にしていま、分断の危機にある。

 戦後に中華人民共和国として誕生した中国の歴史を見ても七十七年であることを考えれば、神武天皇による建国以来、 二千六百八十六年の長い国家の歴史を保ち、その間一度も国家が崩壊したり革命に遭うこともなく、初代神武天皇から今日まで百二十六代にわたって天照皇大神という共通の始祖神を持ち、その始祖神と男系血統で繋がる皇室と国家が存続している事実は世界に類例のない奇跡と思われる。

 激動と治乱興亡の世界の姿を見るにつけ、日本の歴史を貫く心の御柱ともいうべき皇統を保ちつつ、我が国がこれからも繁栄してゆくことを願っている。