愛媛県議会議員 明比昭治 いきいき西条 元気な愛媛!! 「輝くふるさと愛媛づくり」
一般質問と答弁の要旨
 
12月01日(火) 一般質問 明比昭治(自民)の質問要旨と答弁要旨
    一般質問(要旨)→理事者答弁(要旨)
     
1 人口ビジョンに掲げた目標達成に向け、総合戦略に基づき、今後どのように人口減少対策に取り組んでいくのか。
 

 政府は、地方創生を最重要施策に位置付け、東京一極集中の是正と出生率の向上を目指した取組みを進めている。今年10月に発足した第3次安倍改造内閣でも少子高齢化の流れに歯止めを掛け、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」の実現に向けたプランの策定に取り組むなど、地方創生の取組みが更に加速すると期待している。

 県は、今年10月、人口ビジョンと総合戦略を策定した。人口ビジョンでは、現状で推移した場合、本県の人口は2060年に約81万人まで減少するとの推計を示した上で、少なくとも100万人以上の人口を維持するとの目標を掲げている。この目標を達成するためには、合計特殊出生率を段階的に上昇させるとともに、2020年代に人口の流出数と流入数を均衡化させることが前提とされ、本県の活力維持のためには、達成しなければならない目標であると思う。

 総合戦略では、三つの基本目標を立て、愛媛大学を始めとする県内の教育現場と連携した地元産業を支える人材の育成、空き家を利活用した移住・定住の促進など、具体的な施策を幅広く掲げている。今後、総合戦略に基づき、人口減少対策に取り組むこととなるが、人材誘致等の分野では限られた人材を地方が奪い合うことが避けられない。しかし、地方が切磋琢磨し、それぞれの目標達成を目指すことが、2060年に1億人程度の人口の維持を目指す国の目標達成にもつながると考える。

 県でも、知事のリーダーシップの下、チーム愛媛の取組みも活用し、本県の特色を最大限生かした施策を打ち出し、スピード感を持って取組みを進め、他県に負けない成果を上げてほしいと強く期待する。

     
  → 知事答弁
   

 人口減少が加速する本県にとって、半世紀後も最低100万人の人口を維持することは、容易なことではないが、将来にわたって「愛顔あふれる愛媛県」であり続けるため、県民の叡智とパワーを結集して達成を図るという強い思いを込めて目標設定したものであり、まずは、今回策定した総合戦略の推進に全力で取り組み、成果を積み重ねていくことが実現への道筋となると考えている。

 このため、総合戦略では、本年度から5年間の目標として、転出超過を年間3,500人から1,200人以上縮小させるとともに、合計特殊出生率を1.50から1.58程度に上昇させることなどを掲げ、その実現に向け、産業人材の育成や雇用の場の確保、移住・定住の促進、交流人口の拡大等の社会減対策や、若い世代の出会いの場の提供や子育て支援の充実等の自然減対策など、幅広い施策を市町と連携しながら展開していくこととしている。

 既に、戦略を策定した10月末には、国の交付金を活用し、県外学生の県内企業への就職支援や愛媛型CCRCの検討、UIJターンの社会実験の実施、県立高校での産業教育の充実、ビッグデータを活用した結婚支援体制の強化等、本県の特性や強みを活かした16の新規事業に早速着手するなど、人口減少対策に向けた取組みを加速させているところである。

 人口減少対策は待ったなしの課題であり、今後とも、効果が期待できるものは速やかに実行に移すという姿勢のもと、来年度創設が見込まれる新型交付金等の国の施策も最大限に活用しながら、総合戦略に基づく実効性のある施策を、「オール愛媛」の体制で大胆かつ着実に推進したいと考えている。 

2 「愛媛サイクリングの日」の成果を踏まえ、今後どのように自転車新文化の普及、拡大を図っていくのか。
   

 知事は、自転車新文化を提唱し、本県の恵まれた地域資源がサイクリングに最適な環境であることに着目し、サイクリングを観光振興の核に据え、地域活性化を図ってきた。自転車新文化推進の第1ステージでは、「しまなみ海道を世界のサイクリストの聖地へ」をスローガンに、「サイクリングしまなみ」の開催を始め、えひめFreeWi‐Fiの整備、しまなみ海道の自転車通行料金無料化、台湾の日月潭サイクリングコースとの姉妹自転車道協定の締結など、先駆的な取組みを矢継ぎ早に展開してきた。このような取組みにより、僅か数年でしまなみ海道は「サイクリストの聖地」として認知されつつあると実感している。また、来年10月には「サイクリングしまなみ2016」の開催が決定したとのことであり、大会の成功を期待している。

 一方、自転車の安全利用に関する取組みも着実に進んでおり、今年7月からは、県立高校で自転車通学生のヘルメット着用の義務化をスタートさせたところであり、県内各地において自転車用ヘルメット着用の機運が醸成されつつあると感じる。さらに、今年度から、自転車新文化推進の第2ステージとして、「サイクリングパラダイス愛媛」の実現に向けた施策に本格的に着手し、ブルーラインの設置も着実に進んでいる。特に、県と市町の協働で創設した「愛媛サイクリングの日」は、県内20市町で一斉に自転車関連イベントが開催されるという全国初の試みであり、各地域で工夫を凝らした催しが実施され、県内外から多くの人が参加し大変な盛り上がりであったと聞く。今後とも魅力あるサイクリングイベントの開催やサイクリング環境の整備に取り組むなど、戦略的な自転車関連施策の推進に期待する。

→ 知事答弁

 先月15日に全国初の試みとして開催した「愛媛サイクリングの日」では、爽やかな秋晴れの下、県内外から約9,500人もの方々に、県内各地において工夫を凝らした様々な自転車イベントに参加いただき、サイクリングや地域の魅力を堪能していただくとともに、シェア・ザ・ロードの精神など安全対策の普及・啓発にも資することができ、記念すべき第1回目の取組みとして、上々の滑り出しができたものと評価している。

 初心者や女性参加者からは、「サイクリングの魅力を初めて体感することができた」、「美容や健康のため自転車を日常生活に取り入れたい」といった声が数多く聞かれたほか、市町からも、「自転車が、地域活性化のツールとなることを改めて実感した。今後更に、子供から高齢者まで参加できる新たなイベントを企画していきたい」といった積極的な声が挙がるなど、今後のサイクリングの裾野拡大に向け、大きな手応えを感じているところである。

 その一方で、イベントでの集客面やサイクルトレインの活用について、一部では当初の参加見込みを下回るなどの課題も明らかになったことから、これらについても詳しく分析し、取組みをさらにブラッシュ・アップさせながら、「愛媛サイクリングの日」を、本県の自転車新文化を象徴するイベントとして定着・発展させていきたいと考えている。

 今後は、今回の成果も踏まえて、オール愛媛体制のもと、サイクリストの受入環境の一層の整備や自転車安全利用意識の普及・啓発、女性や高齢者、ファミリー層をターゲットにした、自転車を活かした新しいライフスタイルの提案など、「サイクリングパラダイス愛媛」の実現に向けた施策を更に加速させて参りたい。

3 ドクターヘリの円滑な導入や安定的な運航体制の確保にどのように取り組んでいくのか。
     全国に先駆けて運航を開始した川崎医科大学附属病院の運航実績報告書によると、ドクターヘリの導入により死亡者が約4割減少、重篤な後遺症が残った患者が約5割減少という評価結果があるなど、重篤患者の救命率の向上や予後の改善で、その有効性は広く認識されてきている。ドクターヘリの昨年度の出動実績は、全国で2万2,000件を超え、導入県の3次救急医療を支える重要な基盤となっている。

 本県の3次救急医療は、県立新居浜病院、県立中央病院及び市立宇和島病院の救命救急センターと愛媛大学医学部附属病院で行われているが、島しょ部や山間部を抱える本県の地理的条件などを踏まえると、ドクターヘリは、広域や災害時の救急医療提供体制の整備に欠かせない。県が運航主体の基地病院として検討する県立中央病院は、全県域をおおむね30分以内でカバーすることが可能であり、県内唯一の高度救命救急センターでもあることなどから、多くの人命を救うことができる最適な病院だと思う。

 しかし、円滑な運航のためには、騒音等に対する住民の理解など解決すべき課題も多くあり、特に、導入県では医師や看護師の育成、確保に苦慮していると聞く。
県内の医師や看護師が不足する中、高度なノウハウと豊富な経験を持つ人材を持続的に確保しなければ、安定的にドクターヘリを運航できない。ドクターヘリの導入を契機に救急医療提供体制の充実、強化につなげてほしい。
     
→ 知事答弁
     ドクターヘリは、医師・看護師が救急現場に出動し、直ちに初期治療を開始できることから、救命率の向上や後遺症の軽減に大きな成果を上げており、島しょ部や山間部の多い本県においても、三次救急医療を支える重要な基盤として整備するため、医療関係者や消防機関等で構成する「ドクターヘリ導入検討委員会」の議論を踏まえ、基地病院を県立中央病院とする、基本的な運航方針を固めたところである。

 運航方式については、大規模災害時の広域搬送等とも連携するため、格納庫のある松山空港から出動する方式を基本としつつ、患者の状況に応じた医療スタッフの搭乗や、人材育成のための若手医師等の搭乗研修などに柔軟に対応できる体制についても検討しており、今後、運航会社を選定した上で関係機関との調整を進め、平成29年2月までの運航開始を目指して参りたい。

 また、県内の救急医等が不足する中、ドクターヘリの安定的な運航体制を確保するため、搭乗医師・看護師の人材確保・育成対策を進めるとともに、県内の三次救急医療体制の底上げを図りたいと考えており、県民の大切な命を守るドクターヘリの導入を契機として、安全・安心で質の高い、本県にふさわしい救急医療提供体制の充実・強化に取り組んで参りたい。

 なお、ドクターヘリの運航経費については、7月に開催された全国知事会議でも私から問題提起させていただいたが、制度上、国庫補助率は2分の1と明記されているものの、他県では、これを含む補助金総額が確約されておらず、不足分を地方が肩代わりして負担している現状にあることから、安定的な運航のため、今後も、国に対しあらゆる機会を通じ、国庫補助金の確実な予算措置はもとより、恒久的で柔軟性の高い財政支援制度の確立を強く要請していきたいと考えている。 
4 営業本部の今年度の活動実績はどうか。また、今年度の県関与年間成約額の目標70億円の達成に向け、今後どのように営業活動を展開していくのか。
     県では、営業本部を中心として、営業力や情報発信力の弱い県内生産者や事業者等の補助エンジンとして積極的な営業活動を行っており、県内経済の活性化のために精力的な活動を展開している。知事はその先頭に立ち、「スゴ技」「すご味」「すごモノ」データベースを営業ツールとして活用しながら、国内はもとより海外での活動も目を引くところであり、先般訪問したシンガポールでは、商業施設における県産品の販売拡大等に向け、トップセールスを行ったと聞く。

 営業本部の今年度上半期の県関与成約額は42億円となり、今年度の目標70億円に向けて順調に成果を伸ばしており、営業本部の地道で粘り強い活動を評価する。知事は、実需の創出に徹底的にこだわった地域経済活性化の取組みを積極的に進めており、生産者や事業者からは県の取組みを評価するとの声を聞く。一方、経済情勢を見ると、金融市場における中国株価の下落や新興国経済の減速、TPP協定交渉の大筋合意など、日本を取り巻く環境の変化は大きく、先を見通すことが難しい。このような状況に的確に対応していくためには、実需を創出する取組みを攻めの戦略を合わせ持ちながらも地道に継続することで、公約に掲げた目標100億円を達成できると考える。
→ 知事答弁
 営業本部の今年度上半期の活動実績は、成果指標である商談会やフェア等の開催件数が204件、参加企業数は延べ1,280社で、いずれも目標達成率51%、また、把握している成約件数は1,309件、成約額は約42億円で、目標達成率60%となっている。ただ、ものづくり分野につきましては、企業の取引先の情報の取扱いの関係で表に出せないというケースもあるので、実際にはこれ以上の数字が実態としてはある。

 成約額42億円のうち、約85%は、ものづくり、林産物、水産物の分野であり、これらの分野で引き続き、成約の可能性が高い商談機会のタイムリーな提供など効果的な取組みにより、本年度の目標70億円を達成したいと考えている。

 70億円はあくまで公約である100億円達成に向けた通過点であり、中国経済の減速やTPP協定交渉の大筋合意など、先行き不透明な経済情勢の中で、今後、更に飛躍的な成約の獲得のためには、それぞれのマーケット状況の分析結果や商談会等でのバイヤーの意見・アドバイスを確実に事業者等にフィードバックし、市場ニーズに的確に対応した商品の提供を一層進めていくことが重要であると考えている。

 更に、目標達成のためには、愛媛のブランド化が必要であることから、これまでの「紅まどんな」や「紅い雫」、「愛媛甘とろ豚」などのトップブランドに加え、先般、名称を発表したブランド牛「愛媛あかね和牛」、甘平の中の最高品質「愛媛クィーンスプラッシュ」、まるごとトロがキャッチフレーズのスマ「伊予の媛貴海」という新たなブランド産品を、トップセールスなどにより今後強力に売り込んで参りたい。

 また、これから最盛期を迎える柑橘や愛育フィッシュなど、愛媛産品の強みである多種多様な商品については、引き続き、量販店等への販路の拡大を通じた愛媛ブランドの確立に努めるなど、県内事業者の補助エンジンとして、実需の創出による地域経済の活性化を図って参りたい。

 販路拡大につきましては、先ほど明比議員からもお話がありましたように県議会の皆さんにも是非お力添えを賜りますようお願いする。
5 TPP協定交渉の大筋合意を受け、本県の農林水産業への影響をどのように捉え、今後どのような対策を講じていくのか。
     今年10月に大筋合意されたTPP協定が発効すると、太平洋を取り囲む12か国で貿易面や投資面などにおける自由化が進み、世界のGDPの約4割を占める巨大経済圏が誕生すると言われている。

 報道によると、経済全体に対する影響では、将来に向けた期待感を感じる方が多い一方で、TPP協定は原則関税撤廃という極めて自由度の高いものであったことから、関税により守られてきた農林水産業に対する影響を危惧する声も大きく、農業団体からは一貫して強い反対の姿勢が示されたほか、衆参両議院の委員会でも、交渉参加の条件として、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物のいわゆる農産物重要5品目の関税は、聖域として守るとする決議が行われた。
今回の大筋合意によると、最終的には農林水産物の約8割が、また農産物重要5品目でも約3割が関税撤廃される。

 政府は、委員会決議は守られたとの認識を示しているが、現時点では疑問を抱かざるを得ないとの意見も多い。農林水産業を取り巻く環境が厳しさを増す中、大学教授の試算として農林水産業に及ぼす被害額が約1兆1,000億円との報道もあり、生産者の高齢化も進展する中で、担い手不足に拍車が掛かるなどの不安の声が大きいことを憂慮する。
     
  → 農林水産部長答弁
     国の説明では、長期的、段階的な関税引き下げやセーフガードなどの措置により、影響は限定的としながら長期的には価格下落が懸念されるとの分析が多く見られるが、本県の主要産品である柑橘では、特に果汁への影響が懸念されるほか、生産量の多い豚肉では、関税の下げ幅が大きく、将来への不安による生産意欲の低下が懸念されるなど、生産現場等からは厳しい意見も聞こえており楽観的すぎるのではないかと考えている。

 このため、県では、国に対し、みかん生産府県知事会議等を通じて、生産者の不安払拭を図るための再生産可能な経営安定対策の充実強化をはじめ、年内に公表予定の影響試算や対策の丁寧な説明など、万全の対応を強く求めているところであり、今後とも、先日公表された総合的なTPP関連政策大綱の具体化に向けた動きなどをしっかりと見極めていく必要があると考えている。

 また、量や価格による勝負は困難なことから、さらなる高品質化やブランド化等に注力すべきと考えており、関係団体等とも連携しながら、先般投入を決定した「愛媛あかね和牛」、「伊予の媛貴海」、「愛媛クィーンスプラッシュ」など高品質の農林水産物を先頭に、国内外への販売拡大を強力に推進し、意欲ある生産者や若い後継者が、将来に夢と希望を持って農林水産業に取り組めるよう「攻め」と「守り」のバランスのとれた対策を講じて参りたい。
和歌山国体の結果をどう分析し、えひめ国体に向け、今後どのように競技力向上に取り組んでいくのか。
     今年の和歌山国体で本県は、天皇杯13位、皇后杯10位と昨年の長崎国体の21位、12位から大きく成績を伸ばし、目標の天皇杯10位以内にはあと一歩届かなかったものの、総合得点は昨年を上回る1,203.5点となった。本県勢は初優勝を飾ったソフトボール少年男子を始め、陸上競技やレスリング、ウエイトリフティング、セーリングなど8競技で合計10種別の優勝を勝ち取ったほか、剣道やバスケットボール、ボートといった競技で好成績を収めた。また、ボウリング少年女子団体戦で優勝したターゲットエイジ選手に代表される若い力が躍動する姿は、愛媛の名を全国に知らしめるとともに、県民に大きな夢と感動を与えた。

 えひめ国体での天皇杯、皇后杯の獲得に向け、総仕上げの時期を迎えるが、例年上位に入る都道府県との実力差は依然として大きい。今後、更なるステップアップを目指すためには、少年、成年種別ともに一層の飛躍が求められており、思い切った強化策を講じてほしい。選手の競技力の向上には、物心両面からの選手への支援や得点を獲得できていない種目をターゲットに戦力の底上げなどに取り組むとともに、更なる県民のサポート体制の構築や機運醸成が必要だと思う。
     
  → えひめ国体推進局長答弁
     和歌山国体では、ソフトボール、剣道、バスケット、ボートなどの競技が総合成績で上位入賞を果たしたほか、相撲、バドミントン、ラグビーなど、これまでベスト8の壁に阻まれていた競技の健闘もあり、天皇杯13位、皇后杯10位と歴代4番目の好成績を収めた。当初掲げた「天皇杯10以内」という目標には届かなかったが、それに匹敵する成績を挙げた県選手団の頑張りに敬意を表したい。

 しかしながらトップとの差は依然として大きく、えひめ国体での天皇杯・皇后杯の獲得には、和歌山国体で挙げた競技得点803.5点を、最低でも倍以上の1,800点程度にまでアップさせる必要があり、今回入賞に届かず無得点となった13競技のテコ入れはもとより、40競技すべてに更なる強化が求められる。

 このため少年種別については、ターゲットエイジへの支援充実、トップコーチ招聘などの事業に取り組むとともに、成年種別については、有望選手の確保・定着に向け、社会人強化指定チームやスポーツ専門員への支援拡大を図るなど、関係機関と一丸となった競技力向上対策に努めたい。

今回の訓練により明らかになった本県の原子力防災対策の評価と課題はどうか。また、訓練結果を踏まえ、原子力防災対策の充実強化にどう取り組んでいくのか。
 先月8、9日の2日間にわたり、国との合同で実施された原子力防災訓練では、知事が国に要望した伊方原発以西の佐田岬半島部住民の避難対策への支援要請に応えた国の全面的な協力の下、実際に避難先となる大分県の施設への避難訓練が初めて実施されるなど、従来にも増して国と緊密に連携した訓練が行われた。今回の訓練は、中予沖を震源とする震度6強の地震が発生し、全交流電源の喪失、1次冷却材の漏えいにより伊方原発3号機の原子炉格納容器が破損して放射性物質が放出され、その影響が周辺地域に及ぶという過酷事故が発生したとの想定の下、国や市町、山口県、大分県などの近隣県、防災関係機関など105機関の関係者や住民を含む約1万4,500人余りが参加したこれまでで最大規模の訓練であったと聞く。

 初日には、首相官邸と県、市町の災害対策本部を結ぶテレビ会議による情報連携訓練や、内閣府副大臣が現地対策本部長として陣頭指揮を執るオフサイトセンター運営訓練が行われるなど、国や市町などの関係機関との連携に主眼を置いた訓練が行われた。2日目には、今年10月に国の原子力防災会議で具体的かつ合理的であると了承された本県の原子力防災対策の実効性を検証するため、佐田岬半島部の住民のバス等を活用した松前町への陸路避難や民間の定期船や海上自衛隊の艦船を活用した大分県への海路避難の手順を検証するなど、複合災害を想定した訓練が実施された。
海路避難訓練では、知事も大分県の避難先施設まで同行して避難手順を確認したとのことであり、今回の訓練では、国や大分県を始めとした関係機関との強固な連携体制が構築されたものと評価している。しかし、防災対策に終わりはなく、訓練による検証を更なる改善につなげていく不断の取組みが必要であると考える。
  → 知事答弁
     今回の訓練では、本県からの要請に合同開催という形で全面的に協力いただいた国の関係省庁や自衛隊などの実動組織、また、受入施設を具体的に提示いただいた大分県、大分市の多大なるご協力により、半島部の住民が実際に海路で大分県側の避難施設まで避難するという初めての訓練が実施できたことに対し、まずもって、深く感謝を申し上げたい。

 2日間に亘る訓練では、10月の国の原子力防災会議において具体的かつ合理的であると了承された「伊方地域の緊急時対応」の実効性の検証を目的に、総理官邸や県・市町本部等をテレビ会議で結んだ避難指示等の伝達や情報連携、本年8月に西予市へ移転整備した新オフサイトセンターの運営、さらには、大分県への船舶避難や福祉施設毎に策定された避難計画に基づく要支援者の避難など、緊急時対応を踏まえた訓練が滞りなく実施されたものと考えている。

 特に、大分県への避難については、実際に、私も海上自衛隊の艦船に同乗して、大分市の避難施設への動線等を確認したが、海上自衛隊の艦船が三崎港へ問題なく接岸できることや、大分県側のバスによる搬送、さらには避難先施設での対応等を検証できたことは、大きな意義があったものと考えている。
今回の動線の確認を受け、今後、参加いただいた自主防災組織や地区のリーダーの方々の協力を得ながら、各地区毎に、大分への動線につながるより具体的な避難経路の確認や、それに基づく訓練等を積み重ねていくことにより、さらなる実効性の向上に繋げていきたいと考えている。

 今回の訓練評価については、現時点では大きな課題等があったとの報告は受けていないが、今後、国とも連携しながら、参加者や参加機関へのアンケート結果のほか、国の専門の評価員や第三者機関による評価等も踏まえ、出来る限り速やかに成果や反省点等を詳細に抽出・検討して、避難対策の改善向上に反映したい。

 原発については、そもそも事故を起こさせないということが何よりも重要であり、引き続き、安全管理の徹底や最新の知見を踏まえた安全対策の向上を求め続けるとともに、その上で、万が一の事故に備え、国や市町、関係県との連携のもと、防災対策に終わりはないとの認識に立って、訓練での検証を繰り返しながら、その充実強化を図って参りたい。

     

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